記事

第31回全国小学校ゴルフ選手権横尾要カップを開催(8月9日)

夏の日差しがまぶしい、千葉県のレインボーヒルズカントリークラブで、第31回全国小学校ゴルフ選手権横尾要カップが開催され、125人の小学生などが参加して夏休みの大会を楽しんだ。

競技は、学年を3つに区分したカテゴリーの他、未就学のスーパージュニアの部も加わり、ハイレベルなコースセッティングの中で競い合い、日ごろの練習の成果を発揮した。特に低学年のレベルが年々向上しており、ゴルフを始める年齢が早くなっている傾向がうかがえた。

2002年から始まったこの大会は、11年の歴史を重ねており、スタート当時は30人程の参加者だったものの、現在は多くの参加者が年に3回の大会を毎回楽しみにしている。
競技でありながら和気あいあいとした雰囲気のこの大会は、親が選手に帯同して一緒に参加できることが大きな特徴で、選手は親であるキャディを唯一の相談相手としてプレーすることができ、親は自分の子どもと会話をしながら寄り添って進んでいく。

5年生の女の子に帯同したお母さんは、「ラインの読み違いなどもあり、意見が分かれることもあるが、子どもにとっては安心感があるようでありがたい。大きくなったら自立するが、今の時期は補助があっても良いと思う。」と話し、選手自身は、「パットのラインは自分で決めましたが、距離を迷ったときはお母さんに聞きました。」と、お母さんの助言を役に立てた。

また、6年生の女の子に帯同したお父さんは、「娘はゴルフを始めて5年になるが、練習が週に1回程度のため、ルールも距離の判断も一人では難しく、大会に出るようなレベルではないけど、この大会は一緒に帯同してアドバイスができるので、緊張をほぐしたりできるし、親子のコミュニケーションもとれる。」と、大会に参加できる喜びを感じている。

表彰式で、この大会のホストプロを務める横尾要は、「ゴルフを楽しむことが目的でスコアではない。」と、その狙いを一言で表現する。
横尾自身も小学生の頃に、釣竿を改造したクラブでボールを打ち、「遊び」からゴルフの魅力に引きこまれた中の一人だ。
そして上達してきた子どもたちには、「基礎体力が大事になるから、ランニングなどで下半身をしっかり強化してほしい。技術的なことは練習で上達する。そして勉強をしっかりして親への感謝を忘れずに。」と子どもたちにエールを送った。

また、第1回大会から横尾と共に情熱を注ぐ篠崎紀夫は、「遠くに飛ばしても上手にならない。スイングがきれいでも上手にならない。その場その場で目標決めながら、スコアが良くなるための練習をするとよい。」とアドバイス。篠崎も横尾と共に、早朝からのコース準備、スタートホールでのスコアカード渡しなど、子どもたちを運営面で応援した。

そして、この大会をプロデュースする千葉晃プロは、「大人は知識からゴルフに入るが子どもは逆。子どもに知識を伝えても上手にはならない。ゴルフの仲間を作り良い環境に子どもを置けば上達する。トーナメント中継のテレビの音量を消して、親子で話しながら良いスイングを見ることも効果的。そして他人の子どもと比較しない。同じ学年でも300日以上も違う場合がある。」と、小学生時期のポイントについても伝授した。

横尾も篠崎も育てた千葉プロは、今年プロ生活50周年を迎えたそうで、「ゴルフ人口が800万人と減少傾向にある。」という現在のゴルフ界の課題も意識し、自身が関わるこの大会を主軸に、拠点としている北谷津ゴルフガーデンでは280人以上のジュニア会員を擁し、ジュニア用のクラブも次の世代に「お下がり」として引き継ぐ仕組みも構築して応援している。

大会を終えた横尾は、「みんな上手すぎて僕が小学生の頃とは比較にならない程だ。ジュニア用具も充実して、自分にあったクラブで自分のスイングが出来ている。自分がゴルフを始めたころは、大人用のクラブを短くしてスイングするのが大変だった。」と今の環境を羨んだ。

大会でありながら、親子のコミュニケーションと更には親同士のコミュニケーションも兼ね備えたこの大会は、小学生のゴルフ大会の見本とも言えるポリシーを貫いて、更なる歴史を重ねていく。

<大会成績上位>

●5-6年男子の部(6,221ヤード/パー71)
優勝 森山友貴6年 70
2位 田中雄貴5年 73
3位 中村勇貴6年 77
4位 佐藤凌乃介6年 77

●5-6年女子の部(5,653ヤード/パー71)
優勝 和久井麻由6年 77
2位 鶴瀬華月5年 77
3位 西郷真央6年 79
4位 堀越心愛6年 79

●3-4年男子の部(4,606ヤード/パー71)
優勝 小林大河4年 72
2位 大野倖4年 77
3位 戸﨑拓海4年 77

●3-4年女子の部(4,606ヤード/パー71)
優勝 黒木優香4年 70
2位 越田泰羽4年 74
3位 森田彩音4年 80
4位 山本華菜4年 80

●1-2年男女の部(3,021ヤード/パー71)
優勝 清水蔵之介2年 64
2位 清水拳斗2年 65
3位 大久保海2年 65

●スーパージュニアの部(1,960ヤード/パー72)
優勝 大郷喜一5才 64
2位 小林麟太郎5才 75
3位 山本咲道6才 83

関連記事