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RIZAP KBCオーガスタゴルフトーナメント 2019

強心臓でピンチも帳消し。比嘉一貴が単独首位キープ。

終盤のピンチを、土壇場で決着させた。プロ3年目の比嘉一貴が、3日目も単独首位を守って自身初の最終日最終組で、ツアー初優勝に挑む。

15番まで、5バーディと快調。2位との差をどんどん広げた。
だが、16番で暗転。ラフからの3打目は、手前の深いバンカーに体だけ入れて、クラブを短く持って打つ変則打ち。
勢いがついたボールは、グリーンをこぼれて外まで行った。
5オン、1パットのダブルボギーであれよと2位の差が縮まった。

だが、17年のデビュー時から窮地を自力で何度も脱してきた強心臓は、めげずに残り2ホールで取り戻す気満々だった。
「17、18番で帳消しにしたい。でも17番で獲れなかったので、18番で。ピン位置を見ても傾斜を使ってセカンドショットを寄せることができるな、と思っていたので。とにかくフェアウェイに打ってチャンスを作ることだけを考えた」と、最後のパー5で230ヤードの残りを4UIで、奥2メートル。
土壇場のイーグルチャンスを逃さず、2位との差を3打にとどめた。

2日目まで散らばるショットに苦しんだが、それも一夜で解消してきた。
「トレーナーの方とか、いろいろとアドバイスをもらったりして。簡単に言うと打ち急ぎ。ボールの位置、スタンスの幅、リズムと色々試して今日はそれが上手くできた」と、見違えた。
自身初の最終日最終組ではただ、初優勝を目指すのではなく、「僕の試合の一番よかった22(アンダー)を越せるように。そこから23、24と行ければ」。
有言実行なら、本大会の最多アンダーパー記録(22)を更新だ。
「いつもどおりにやればチャンスはある。最後イーグルで上がれたので、頑張れる気がします」と、落ち着いている。

<比嘉一貴(ひがかずき)>
沖縄生まれの24歳は、身長158センチの小さな巨人。地元が誇る宮里兄妹の父・優さんの師事で、10歳からゴルフを始める。地元の本部高校から、宮城・東北福祉大学時を通じて国内外であまたのタイトル獲り。
卒業年時に受けたツアーのQTサードではまさかの失格を喫するも18年に、行き場を求めて挑戦したアジアンツアーの二部ツアーで、デビュー戦V。帰って、即日本のAbemaTVツアー「南秋田CCみちのくチャレンジ」で、国内プロ初V。勢いのまま、レギュラーでは同年に初シード入り。最初の躓きにもめげない逞しさも含めて、大学OBの松山英樹もその実力を買っている。

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