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石川遼 『招待選手として・・・』

この日は朝から快晴、微風。ジリジリと夏の日差しが照りつける太陽のもと、石川は8時18分に1番ホールからスタート。昨日の記者会見で話をしていた通り、思い切りの良いスウィングでティーショットしたボールは、真っ青な空にきれいな放物線を描いて飛んでいった。
1番ホールから3番ホールまではパー。4番のPar3で、石川、ダニー・リー、ベ・サンムンの全員がバーディを奪うと、このあたりから緊張がほぐれてきたのか、3人で笑顔で会話を交わしながらのラウンドとなった。特に石川とダニー・リーは、ティーショットの待ち時間に何やら意味有りげな(?)会話をしていたようで、リラックスした場面も時折見られた。会話は当然英語。フェアウェイを堂々と、そして外国人選手と流暢な英語で会話をしながらラウンドする17歳は、時に風格さえ漂わせている感もある。
この日のラウンドを5バーディ、2ボギー、1ダブルボギーのトータル1アンダー、12位タイで終えた石川。
初日のプレーの感想を聞かれ、「今日は全体的には良いゴルフが出来たと思う。キーポイントにあげていた3つのPar5のうち、2つはバーディが取れた。ただ、池のあるホールは気を付けていたはずなのに、13番ホールで池にいれてしまってダブルボギー。もったいないことをした。トップが4アンダーなので、初日で出遅れたとは思っていない。まだあと3日間あるので、2ケタアンダーを目指して頑張る。」
今回は韓国初参戦ということもあり、記者会見では韓国人記者から、普段の日本のトーナメントでは受けないような質問が次々に出てくる。
この日の18番ホールの第3打目で、石川はグリーンのカラーから5番ウッドでアプローチをした。
「ウッドでのアプローチはいつもするの?どこで覚えたの?そのメリットは何?・・・。」石川は1つ1つ丁寧に答えていく。
「このアプローチは日本で覚えたものではなく、USPGAツアーやメジャー大会で覚えたもの。USPGAツアーでは多くの選手が当たり前のようにやっているので、それを日本に持ち帰ってプレーの中に取り入れている。メリットは、パターよりも小さなストロークで転がってくれるところ。カラーを越えることを考えると、パターを使うと大きくストロークすることになり、ブレる原因にもなる。でも距離感は練習しないと、なかなか掴むことは難しいですよ。」
時にはこんな質問も。
「今日はこの後、何をして過ごすの?明日は午後のスタートになりますが、午前中は何をするの?」
それでも石川は丁寧に答える。
「今日はこれからホテルに帰ってトレーニングをします。その後、念願の焼肉を食べに行って、その後はすぐに寝ちゃいます。明日は朝から軽めのトレーニングで体をほぐしてからホテルを出てコースに来ます。コースに着いてからは、ドライビングレンジ、パッティンググリーンで練習をしてからスタートします。」
最後に、優勝の可能性を問う質問に対して、石川はこう答えた。
「ボクはこの大会に招待選手として出場している。招待選手が優勝争いをすることによって、大会はさらに盛り上がる。それが招待選手に課せられた使命だとも思っている。今年はマスターズや全米プロにも招待を受けて出場させてもらったけれども、今回の招待はまったく違う意味合いを持つ招待だと思っている。」
明日もダニー・リー、べ・サンムンと同組でプレー。ダニー・リーは韓国出身、ベ・サンムンは韓国人選手でディフェンディングチャンピオンということで、この組について歩くギャラリーも大半が2人を目当てについており、石川は完全にアウェー。
「今日は良いショットには拍手をしてくれたし、すごく有り難かった。でもやっぱりボクは、自分を応援してくれるギャラリーがたくさんついていてくれた方がリズムも出るし、ゴルフの調子も乗っていける。早く日本に帰ってプレーしたいと思っちゃいましたね。」と苦笑い。
招待選手としての責任を果たすべく、石川は明日もスコアを伸ばすはずだ。
















