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シニアツアーは4年連続の2位にも…

シニアで唯一元気、とお墨付きを受けた賞金王・飯合(左)はその言葉通り、最終マッチで4アンダーと絶好調(右は渡辺)
最終日にあたるこの日DAY2の前半9ホールの<3rdステージ>で残り1マッチを残して首位の女子チームに0.5ポイント差まで迫ったシニアツアーのPGAチーム。

しかし、0.5ポイント差でまたもや初タイトルを逃し、今年も“指定席”に収まった。
4年連続の2位にも「俺たちは“シルバーシート”でいいんだ」と、なぜか一同は余裕の笑みを見せるのだった。

「楽しませるという点では僕らがいちばんでありたい」と話し、固くなりがちな女子チームを和ませ、男子チームを笑わせ、大ギャラリーを抱腹絶倒の渦に巻き込んで、道化役に徹していたキャプテンの中嶋が、やにわに言葉数少なくなったのは、この日の最終マッチだった。

女王・古閑美保と、石川遼とのシングルス戦で「15本目の武器」と言ってはばからなかった口を封じていよいよ“本気”になったのは、54歳からのメッセージだった。

「みんなにはこれからも身体を鍛え、心を鍛え、50を越えても高いパフォーマンスで長く大勢の人を感動させるプレーヤーであって欲しい…」。
そのことを身をもって、伝えたかった。

「僕らチームの控え室での話題と言えば、どこが痛いあそこが痛い…。健康なのは飯合だけ」と冗談めかして繰り返した台詞はウソではない。

どこかしら故障を抱え、苦悩を抱えながらも一人ひそかに歯を食いしばり、いっそうの鍛錬を重ね、一時代を築き上げてきたという自負が、この日のプレーに滲み出ていた。

「中嶋さんからは、オーラが出ていた」と石川は言った。
「そばで見させていただいて、勉強になることばかりだった」と古閑も感謝した。

中嶋の心意気は、確かに伝わっていた。
最終マッチで中嶋がバーディを決めていれば、逆転初優勝もあったが通算4個目の“シルバーメダル”にも、やっぱり「悔いはない」と中嶋は言ったのは、若手2人の前で出し尽くしたという手応えがあったからだ。

熟練の技で随所に魅せたこの2日間に、これまで常に第一線を歩き続けてきたシニアツアーの面々の、長い道のりと栄光が垣間見えた。

■PGAチーム(シニア)紹介
飯合肇(賞金ランク1位)
渡辺司(同2位)
三好隆(同3位)
室田淳(同4位)
中嶋常幸(同5位)
  • 三好隆は3年ぶり2度目の参加に「中嶋さんによく帰ってきた、と言われて嬉しかった」と(右は室田)
  • 中嶋は、最終マッチでバーディパットを惜しくも外して思わずこの姿…
  • 「来年も2位を狙う。それが僕らの社会貢献」と言ってはばからないシニアの面々。負けても17歳に負けないくらいの“爽やかさ”だった!!

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