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全英オープン初日 石川遼が4アンダーの好スタート

昨日に比べて「練習場から気合いが入っていた」。初出場だった昨年は「自然と体が硬かった」が、今年はメジャーが持つ独特の雰囲気にのまれる事なく、良い緊張感を持ってのプレー。

スタート前に、自分の体にみなぎる充実感は、この1年間の技術と精神面の成長が大きく左右していた。

『全米オープン』では体力の消耗から、決勝ラウンドで崩れて上位争いから脱落。
教訓にした体力のペース配分でも、今日は「100パーセントの体力を25パーセント使った」。

午前のセントアンドリュースは「コースのイメージが変わる」ほど、風はほぼ無風。
石川がスタートする時には小雨が降ってはいたものの、絶好のコンディションでのティオフだった。
「疲労感をあまり感じない」ラウンドは5バーディ、1ボギーの4アンダー。17位タイフィニッシュで初日の全英オープンを終えた。

午前組はバーディ合戦の展開。
21歳のロリー・マキロイが9アンダーを叩き出して単独トップでホールアウトしていたのを始め、1995年にセントアンドリュースで全英オープンを制したジョン・デーリーが6アンダーで好スタートを切っていた。
「他の選手の波に乗り遅れないように」と、立ち上がりの3番でパー4で難なくバーディを奪うと、後半12番までに4アンダーで上位に食らいついた。

13番でバンカーに入れてしまいボギーを叩くものの、最終18番。

リンクスコースのアプローチでは、転がして寄せるのが定石とされる。
今大会でも多くの選手がパターを使用しているが、石川は果敢にサンドウェッジでのアプローチで、ピンまで32ヤードを見事ピン手前2.5メートルに付けた。
「アプローチの感覚が良くて、サンドウェッジの距離感が役に立った。一番イメージが出るクラブを選んだ」と型にはまらない得意のパターンで、バーディを手繰り寄せた。

いつも寝る前にする事は、想像の中で次の日のラウンドをイメージする。どんな状況のショットが求められるかを最大限に想定する。
練習日には「5ホールぐらいで寝てしまう事が多いんです」と言っていたが、昨日は憧れのセントアンドリュースを18ホールプレーした。
「どうにでもなっちゃうので、スコア“54”で回ろうと思えば回れるんですけど」と笑いを誘ったが、イメージトレーニングが進化し続ける18歳を支えている。

「パープレーで回れたら良いという固定概念を捨てて、全体のスコアやコンディションによって、目標設定したい。」と、初日以上の活躍でギャラリーを魅了する。

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