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アジアパシフィックオープンゴルフチャンピオンシップ パナソニックオープン 2009

丸山大輔が単独首位に浮上

平日にもかかわらず、この日2日目に駆けつけたギャラリーは6434人。しかし、午前スタートの石川遼もコースを引き上げ、午後の最終組からひとつ前の丸山がホールアウトするころには陽もとっぷりと西の空に傾き、昼間の喧噪こそすっかりと引けていたが、それでも熱心なゴルフファンが、リーダーの最終ホールを温かな拍手で迎えてくれた。

手前2メートルにつけたこの日最後のバーディチャンスは外したが、5アンダーの66は通算7アンダーにして、単独首位に躍り出た。
「ナイスプレー!」。
「明日も頑張ってください!」と、口々に差し出される右手をしっかりと握り返して「ありがとう」と微笑んだ。

この春からアスリートのためのウェアブランド「アンダーアーマー社」と契約を結んだ縁で初めて本格的にメニューを組んで、アルペンスキーの皆川賢太郎さんら、トップアスリートに混じって取り組んできたトレーニングのおかげで、傾斜のきついコースもほとんど息が上がらずに回って来られる。

序盤はシード権確保の心配をした時期もあったが、先日のフジサンケイクラシックで今季自己ベストの2位に入ると、好機を逃さずそのまま上昇気流に乗った。
次のANAオープンで8位タイに入ると自信はまた少し、確信に変わった。初優勝をあげた2005年、また米ツアーに挑戦してシード権を手にした2006年のころの、絶好調のゴルフが戻ってきた手応え。

この難コースでピンチはカート道に打ち込んでボギーを打った3番だけ。
狭いフェアウェーを正確なショットで確実に捉え、チャンスもほとんどモノにして、「1勝だけでは寂しいから」。次のツアー2勝目への思いを、はっきりと口にした。

今年のオフは「いちど原点に返ってみよう」と、アジアンツアーのファイナルQスクールに挑戦。みごと、ランク1位で出場権を獲得した今季は、まだ日本ツアーの出場権がなかった2000年に、台湾PGAで優勝した思い出のツアーに積極的に参加するつもりだった。

だが、今週来日のアジアンツアーのスタッフも、「マルヤマさんは、せっかくQスクールで1位になったのに、全然こっちに来てくれない」とこぼしていたように、日本の開幕前に4試合に出場したまま、足が遠のいていた。

本人も、行きたい気持ちはやまやまだったが、「さすがにまだ、日本で全然結果が出ていないのに、行けないよなという思いがあって・・・・・・」。
そんな、歯がゆい思いを吹き飛ばす、絶好のチャンスがやってきた。

このアジアパシフィック パナソニックオープンはアジアと日本、両ツアーの賞金ランキングに加算されるばかりか、もし勝てば両ツアーのシード権が手に入る。
日本の報道陣に向けた記者会見が終わったあと、アジアンツアーの広報から、取材のオファーを受けて答えた。
「この試合でアジアのカードも決めたいな、と思っています。一石二鳥、狙います!」。

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