Tournament article

長嶋茂雄 INVITATIONAL セガサミーカップゴルフトーナメント 2009

細川和彦は「週末も遼くんと回っているつもりで」

2日連続ボギーなしのラウンドは、他でもない。「ライバルがいいから」だ。予選ラウンドは、石川遼と同じ組でプレー。常に大ギャラリーの視線にさらされ「下手なゴルフは出来ない」と、良い緊張感が持続する。

17歳に「良いものを見せてあげたい」という、先輩としての責任もある。
飛距離では、常に3〜40ヤードは石川に負けている。ホールによっては、50ヤードくらい遅れを取ることもあり、悔しくないわけがない。
石川の胸のすくようなドライバーショットに「途中で、自分もついギャラリーになってしまった」と苦笑する。
「羨ましい・・・。あの飛距離があれば、俺ならすぐにアメリカに行くのに」と、妬ましい気持ちも相当ある。
「俺だって、若いころはあのくらい・・・」という思いもあるが、吹き上がりを警戒して6割程度の力で打っている今は、「飛距離よりもスコアで勝ちたい」。

ツアー通算8勝の38歳は、技や経験で石川を凌駕する。
幸いなことに、前日初日のスタート直前に持ち替えたパターが、北海道の洋芝にはまった。
以前のものより10グラム、鉛の量を増やしたそれは、風の影響もほとんど受けることなく強くヒットしていける。

飛距離で負けている分、グリーン上でアドバンテージを握り、ジワジワと突き放した。

石川よりも飛ばないことで、メリットもある。先に打ってピンそばにつければ、石川見たさに他の選手のプレーも構わず動き回るファンも、さほど気にならずにプレーが出来る。
同組ラウンドは4回目だが、すでにコツは掴んだ。

若さに圧倒されながらもハンディを逆に利用して、したたかに上位進出。
「この2日間は、100点のゴルフ。どうせなら、このまま4日間とも遼と回りたかったよ」とニヤリ。「残り2日も遼と回っているつもりで、良い緊張感を保ってプレーするよ」と、笑った。

関連記事