Tournament article

サン・クロレラ クラシック 2009

津曲泰弦は「あわよくば・・・」

ここ小樽の総距離は7535ヤード。今季ツアーの最長コースもこの男には、苦にならない。「ラフに入っても、僕はパワーで持っていけるから。自分向きかな」と、自信が深まる。
今週、9番、16番で計測中のドライビングディスタンスはこの2日間で、平均302.50ヤードを記録してランクは2位。
前日の1位こそ豪州出身のレフティ、ネーサン・ユーバガンに譲ったが、相変わらずの飛ばしっぷりだ。

距離の長いパー5は4つとも、条件さえ合えばもちろんグリーンを果敢に狙う。
がっしりとした長身から繰り出す豪快な飛距離を武器に、この日2日目もスコアを伸ばした。

とかく飛距離が話題になる選手だが、こう見えてもともと小技が得意なことも強みだ。
16番で、右ラフから刻んで2メートルに寄せたパーパットも、難なくしのいだ。

4バーディの68は、ボギーなしというのも「嬉しい」と、満足そうに微笑んだ。

身長187センチの恵まれた体格はこのオフ、初めて真剣に取り組んだというトレーニングでいっそう磨かれた。
念願の初シード入りを果たした昨年、男子ゴルフでは武藤俊憲のほか、他競技のトップアスリートと数多く契約を結ぶ、小林宏平トレーナーに言われた。

「そのままだと、そのうち絶対に故障するよ」。

初めての連戦を経験してみて確かに思い当たる節があり、シーズン終了と同時にスタート。
小林さんのメニューは厳しいことで有名で、腹筋、背筋、100メートルダッシュなどその過酷な内容に、こらえきれずに何度も吐いた。

おかげで、多少のことでは疲れない。いっそう逞しい体が出来上がった。
宮崎出身の九州男児は今週、火曜日の飲み会で少々度が過ぎ、二日酔いならぬ「三日酔い」。
翌水曜日の練習日は練習すら出来ず、いよいよ木曜日の本戦も、まだ酒が残ったままだった。
それでも、その日初日は5アンダーの4位タイスタートに、いちばん驚いたのが当の津曲だった。
小林さんの愛(?)のムチは、そんなところでも実感できた。

先の日本プロで、ツアー初優勝をあげた池田勇太はひとつ上。
自分も続きたいという思いは一杯だ。
「今年の目標はまずはシード権の確保。それが出来たらあわよくば・・・」。
まだ2日目。
燃えさかる闘志はひとまず内に秘め今週、北海道限定でバッグを担ぐキャディの古賀雄二さんとともに「楽しんで出来ればいい」と、話した。


  • 「このオフから取り組んだトレーニングは、あまりの厳しさに吐きました」と津曲(左が小林トレーナー)

関連記事