Tournament article

ダンロップフェニックストーナメント 2009

久保谷健一にとって「優勝より大事なことは…」

この選手が会見に来たら、必ずこんなふうな注釈がつく。「人から見れば、良いゴルフをしているじゃないかと言われそうですが」とかなんとか。いつもそういう感じのことだ。

この日初日もやっぱり言った。
「人から見れば、入っているかもしれないですが」。
特に後半のインコース。
2番で左から12メートルのバーディパットを決め、4番では8メートルを入れた。
5番は「1メートルあるかないか」。
7番も1メートルを沈め、8番は2.5メートルで締めた。

結果を見ても、別段問題はなさそうに思える。
先週、初日2日目と同じ組で回った近藤共弘も笑って首をかしげていたものだ。

というのも、初日に揃って5アンダーの好スタートを切りながら、なぜか翌2日目に違うパターを持ってきた。「昨日、あれだけ入っているのに気に入らない、と。久保谷さんの考えてることがさっぱり分からない」と苦笑した近藤の声が聞こえたかのように、本人はなおこう言い募るのだ。

「パットが良くなくて……。特に引っかけ病が治らない。どう打っていいのか分からない」。
ショットだって、この日フェアウェーを外したのは2ホールだけと、絶好調だ。
だが、「こんなんじゃ優勝出来ない」と、自ら断言。
「優勝したのは今までに4回しかないけれど。勝った時は、パットに不安がなかったんです。だから、今は勝てないっていうのがすぐ分かる」と、妙なところで自信満々。

そんな久保谷にとって、次のツアー通算5勝目より大事なことは、「このまま必ず上位に残ってトップ10に食い込むこと。今週も意地でもそういうゴルフを目指します」。そう言って頑固に譲らなかった。

関連記事