かねてより、その時期を模索していたドンファンが、いよいよ決意した。今年の12月22日から、母国韓国で義務づけられている兵役につくことにした。

徴兵期間の２年間は、もちろん試合には出場できない。
それだけにいつ踏み切るか。本人もさまざまに思うところがあったようだが「出来るだけ若いうちに済ませ、ツアーに復帰しようと」。

中でも一番気がかりだったのは、兵役を終えたあとの出場権だったが、それもひとまず心配なくなった。
日本ゴルフツアー機構（ＪＧＴＯ）では、ドンファンが昨年のミズノオープンよみうりクラシックでツアー初優勝をあげた際に得た２００９年までのシード権を、２０１１年まで延長することを認めた。

もちろん、復帰時に「ツアープレーヤーとして体力的、精神的、技術的にふさわしいことが前提」（ＪＧＴＯ専務理事・山中博史） とはいえ、ゴルフの練習ができる訓練所もあるそうで、「（シードの延長は）ものすごく有り難いこと。兵役中も、もっと上手くなる努力を続けたい」と意気込む。

先週はいったん帰省して、兵役に問題なく参加できるかどうかの体力テストと面接を受けた。
1500メートルを５分で走り、難なくクリア。
「健康優良児」のお墨付きも出て、あとはそのときを待つばかりの状態だ。

日本ツアーを留守にする前に、やっぱり残しておきたいのが確かな足跡。
「日本のみなさんに忘れられないように、今年３勝はしておきたい」。

言ってから、ふと顔を赤らめて、「いえ、その前にまず１勝ですね」と、謙虚に頭を下げたが、ドンファンは本気だ。

これからは毎週、優勝だけを見つめてプレーする。
「･･･日本語も忘れないように、今のうちにいっぱい勉強しておきます」と、笑った。