Tournament article

カシオワールドオープン 2008

久保谷健一「4打差はデカイですよ」

通算7アンダーの2位タイに、首をかしげる。「全体的に見れば、予選を通りさえすればいいかな、というゴルフ。だから、自分がこの位置にいることが不思議で。なんでみんな、あんまり伸びていないのか」。

2週連続Vを含むツアー通算4勝をあげながら、10歳のときにクラブを握って以来、「自分のゴルフに自信を持てたことがない」という。
そのせいか、どんなに上位につけてもまるで人ごとのように自分のことを話すのは、いつものことだ。

この日のプレーについても「なんとなく距離が合って、なんとなく方向が合えば入ってくれたらいいという感じで…。トップに行くなら、狙って入れないといけないんでしょうけど」と、相も変わらずのらりくらりだ。

優勝の二文字も頭の中にほとんどない。
小田との4打差に早くも白旗。
そして、べた褒め。
「孔明くんは、上手いスよ。凡ミスをしない限り、60台で回ってくる。4つも差があったら、よほどのスコアじゃないとダメでしょう。周りはそれに対抗するビッグスコアを出さなきゃダメ。ガーっと追いつく人じゃないと追いつかない。いや、ほんと4打差はデカイですよ」。

ひとしきり語った内容は、やっぱりどこか人ごとだ。
では何が自身のモチベーションになるかというと、次週の最終戦。

ゴルフ日本シリーズJTカップは現在、賞金ランク18位につけて、10年ぶり3回目の出場権を決めている。
「シリーズは、今年の集大成でしょう。今週は上位というより、来週うまくやれそうなゴルフをして終りたいかな、と…。それで結果がついてくれば最高ですけど」と、どこまでも無欲だった。


関連記事