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ダンロップフェニックストーナメント 2008

丸山茂樹が6位タイに

プレスセンターにやってきた丸山は「もうすぐ40歳。年なんでね」。そう言って浮かべた照れ笑いとは対照的に、膝に巻いた大きな氷の固まりが痛々しい。

今年初めは左膝だった。「ガングリオンを2度抜いた」。
そして9月には左ふくらはぎを痛め、続いて太もも。

そして10月は、今度はいよいよ右膝と「踏んだり蹴ったりはがれたり…」。
冗談で紛らすが、先週はアジアンツアーの「バークレイズシンガポールオープン」に参戦。
南国から冬の日本を行き来したことが災いしたのだろうか。
今週に入って再びひどく腫れ上がったといい、「特にパットのラインを読むときに凄くつらい」と、一瞬しかめた表情が、すぐにキリリと引き締まる。

会見場の片隅で、応援に駆けつけた長男・奨王くんが父親を見上げていた。
ゴルフが大好きで、いまや余裕で80台で上がってくる息子は今年ジュニアの大会で3勝をあげ、ジュニアのポイントランキングで1位につけているという。

自宅を構えるロスから久々に帰国して、この日2日目から父親に合流した奨王くんに「頑張っている姿を見せたい。僕のプレーを見て夢を持ってもらいたい」。

ラウンド中も痛みをこらえ、応援してくれるギャラリーには時折笑みさえ浮かべて応ずるのもすべてはロープの外で見ている愛息へのメッセージだ。

「勉強が優先で、週2回しか練習出来ないのにけっこう上手いんですよ」と、父親の欲目(?)もついポロリ。
「遼くんみたいになれるといいな!」と、壇上から話しかけたがその返事が「お腹すいた」で肩すかし。
しかしいつになく優しい笑顔は消えることなく「よしよし、お父さん、もうすぐお仕事終るからな」となだめたあと、「でも、こんなに喋っても、メインの記事は遼くんで、お父さんはちっちゃくしか載らないんだよ」と自ら笑い飛ばして、「お父さん、リップサービスでも頑張ってマス」。

丸山が行くところ、常に笑いの渦だ。
まるで太陽のように、周囲を明るく照らす力がある。
あらゆる面で、その存在感は際だっている。
そのマルちゃんが首位と2打差の6位タイ。
今週は、優勝争いで盛り上げる。



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