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三井住友VISA太平洋マスターズ 2008

松村道央(まつむらみちお)「今週、決めます」

ファイナルQTのランキングで戦っていた昨年は、会場で欠場者が出るのを待つ“ウェイティング制度”で今大会の出番を待ったがかなわなかった。
練習ラウンドだけでコースを去ったが、しっかりと手土産を持ち帰った。

ぐっと気温が下がるこの時期は、ドライバーの飛距離が落ちる。
本人も「寒いのが苦手」ということも加味して、シャフトの長さを先週までの44.75インチから45.25インチにチェンジ。
さらに重量も軽くして、柔らかいタイプに変えた。

まだ出場権のない時代は季節によって道具のスペックを変えるという発想はあまりなかったが、昨年の御殿場で経験したことを松村は忘れていなかった。

昨年のチャレンジトーナメントの賞金ランク1位の資格で初出場を果たした今年は準備も万端。
「おかげで今週は10ヤードから20ヤードほど飛んでいる」と、この日もティショットで飛距離を稼ぎ、好調のアイアンでチャンスを作った。

6月のミズノオープンよみうりクラシックで自己最高の3位につけて初シード入りに当確ランプを灯したばかりか、7月の全英オープンで初のメジャー舞台も踏んだ。
赤丸急上昇の今年はついこの間まで「最優秀新人賞 島田トロフィ」を獲ることが目標だった。

ツアープレーヤー転向後3年位内、または通算のツアー出場数が30試合未満の選手の中で、最高ポイントを獲得した者に与えられるこの栄えある賞の受賞は、先のマイナビABCチャンピオンシップでプロ転向後のツアー初優勝をあげた石川遼がほぼ確定的となって、設定変更。

「日本シリーズの出場権を狙います」。
現在、賞金ランクは30位。
その年のツアー優勝者と賞金ランク25位までの選手しか出られない頂上決戦の権利まであと少し。
今年から賞金総額が5000万円アップの2億円の今大会で「絶対に決めたい」と、新星がひそかに闘志を燃やしている。

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