Tournament article

サン・クロレラ クラシック 2007

細川和彦が初日暫定首位に「過去は忘れます!」

ツアー史上最長の7535ヤードに加えて北海道特有のからみつく洋芝に、朝から吹き荒れた強い風。午前スタートの細川が最終18番を迎えたころには、激しい雨も加わった。

もともと難しいセッティングに過酷な条件が加わって、2アンダーと上々の滑り出しにも、喜びより先に首を振る。

「今日は何にも覚えていない。過去は忘れたよ!」。

本当は、6番の1メートルのバーディパットも、難しいアプローチを寄せた9番もすべて覚えている。それでも、あえてそう言ったのは先週の女子ツアーに感化されたから。

テレビ解説の仕事が舞い込んだのは、先週のオープンウィーク。やはり道内の苫小牧ゴルフリゾート72エミナゴルフクラブで行われたアクサレディスは、来週に同コースで自身主催のジュニアクリニックを開く縁もあり、快く引き受けたのが奏効した。

その表彰式で、2週連続Vを達成した中国の張娜(チャン・ナ)が繰り返したのが、そのことだった。

前のホールでバーディを取ろうが、ボギーを叩こうが「すぐに忘れること」。
そんな切り替えの早さこそ、強さの秘訣。
もちろん、言うはたやすい。実践するのは簡単ではないが、その言葉どおりにみごと優勝を勝ち取ったのを目の当たりにして、心から感心してしまったという。

女子ツアーをそれほど間近で見たのは初めてだった。確かに、そこに男子のようなパワーはないかもしれないが、学ぶべきところはほかにもたくさんあると思い知らされた。

解説は生放送で行われた。「下手なことは言えない」。試合とは違った緊張感の中で、中継センターに座り、いっぺんにたくさんのモニターをチェックしながら「そういえば、こんな打ち方もあったなあ、とか・・・。ゴルフの基本を、突きつけられた3日間だった」と、細川はいう。

そして迎えた今週は「雨が振ろうが、ボギーを打とうが、過去を忘れて1打に打ち込む」。
この日初日は本当に、そんな心境になれたことが嬉しい。

会場のここ小樽カントリー倶楽部を「モンスターコース」と呼んだ細川は、「ここでこそ、張娜選手のようなゴルフをしなければいけない」と、肝に銘じたのだった。


関連記事