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UBS日本ゴルフツアー選手権 宍戸ヒルズ 2007

谷口徹「ポールポジションにつけながら・・・」

したり顔で谷口がうなづく。「我ながら、伊達に海外旅行に行ってない」。2週前の全米オープン。サディステックまでなオークモントのセッティングに、5度目の挑戦は無残にも予選落ちを喫したが「単に打ちのめされてるばかりじゃない」。

特に難しいホールが続く、バック9で常にフェアウェーをキープしながらチャンスが奪えず、ピタリとバーディが止まってしまったが、ここ宍戸ヒルズでの「3アンダーは悪くない」。

竹本直哉がひとり、7アンダーで飛びぬけているが、気にならない。
「彼は、明日から重い十字架を背負って回ることになるだろうから」。
まだ初日。挽回のチャンスは十分すぎるほど残っている。

それよりも、この難コースで好スタートを切れたことが、谷口には嬉しい。

深いラフ、落としどころの狭いフェアウェーもむしろ「苦じゃなかった」と、思えるのは海外ツアーで揉まれてきたからこそだ。

確かに、帰国直後の先週は自覚していた以上に疲れていた。
ミズノオープンよみうりクラシック2日目の14番。バーディパットを打つ直前だった。
グリーン上の葉っぱを拾っているうちに、無意識にボールマークまで拾いあげてしまった。
呆然と、手のひらを広げてみた。
「いつの間にか、手の中に入っていた・・・」。
自ら申告して1ペナルティ。バーディが一転、パーに終わってショックのあまりリズムを崩した。
そのあとの15番、16番でボギーを連続ボギーを打って昨年の開幕戦東建ホームメイトカップ以来、30試合ぶりの予選落ちを食らった。
「あれは・・・最低だった。よく事件とかで心神喪失だったとか言われるが、ああいうのが本当にあるんだなって・・・」。
自嘲気味に話したが体力もすっかり回復し、気を入れ替えて改めて迎えた今週こそ気合が入っている。

首位と2打差の3位で最終日を迎えながらバック9で大崩れして、結局9位タイに終わったのは昨年大会。
これ以外にも、「最近、ポールポジションにつけながら、そのままゴールに突っ切れない。悪い流れを吹っ切りたい」。

溜まりに溜まった鬱憤は、このツアーNO.1を決める今大会ですべて晴らしてしまいたい。

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