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マンシングウェアオープンKSBカップ 2007

連覇をねらう、武藤俊憲

2006年度の成長株のひとりといえば武藤俊憲だろう。昨年のマンシングウェアオープンKSBカップでツアー初優勝をあげる前から、田中秀道や谷口徹らから高い評価を受けていたが、そのあともたびたび優勝争いに絡んで、「飛ばすし、小技にもソツがない」とツアー内でも、一気に認知度が上がった。
「今年、もっとも伸びた選手」に武藤を挙げる選手が多かった。賞金王の片山晋呉も「良い選手が出てきたね!」と賞賛したものだ。

昨シーズンの賞金ランク17位は、初シード入りを果たした武藤にとっては、もちろん自己ベストフィニッシュ。
飛躍の要因を本人に尋ねると、思いがけない答えが返ってきた。
「それは間違いなく、犬のおかげですね」。

愛犬・小雪が武藤家にやってきたのは一昨年11月のことだった。
夫が留守がちなことを寂しがった妻・妙子さんが、転戦先にかけてきた電話でいきなり告白。
「今日犬を飼ったから」。
「ええっ!!」と目を丸くしていた武藤が早速ハマってしまった。
試合から戻るたびシッポを振って、妙子さんよりも早く玄関に飛んでくるコーギー犬に癒された。

同時に、小雪が幸運も運んできた。
まず、その約一ヵ月後に妙子さんの妊娠が分かり、さらに3ヶ月後に行われたファイナルQTでは、第4、第5ラウンドで75を叩いて一度は絶望的な順位まで落ちながら、最終ラウンドで65をマークして、前半戦のほぼ全試合に出場できるランク35位に急浮上した。

そして、序盤の初優勝。7月には、全英オープンでメジャーの初舞台も踏んだ。

飼い始めてすぐのころ、妙子さんがくれた小雪の写真。
「きっと良いことがあるから」と言った妙子さんの言葉に、はじめは半信半疑だったがシーズン終了後にその威力を噛み締めることになったのだ。

良いことずくめの昨シーズンに「小雪のおかげ」と、力説した武藤には新たな宝物ができた。
小雪の分と、もう1枚持ち歩くようになったのが、昨年生まれた愛娘の写真。
小雪がやって来たときは「エサ代を稼がなくちゃ!」が、家族の合言葉だったが、今年は「ミルク代も稼がなくちゃ!!」。
そのためにも、今週、ぜひ連覇を達成したい。

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