安全策を取って刻む選手が多い中、「僕は、ドライバーのコントロールショットが嫌いじゃないから」と、髙橋はほとんどのホールで１番ウッドを握る。

ショットに自信を取り戻した何よりの証拠だ。

この日、フェアウェーを外したのはバンカーに打ち込んだ15番ホールだけ。
安定したショットでボギーを２つにとどめ、２アンダーは３位タイに「こういうコースでは良い日と悪い日が必ずあるものだけど。明日以降も今日のように耐えられたら、きっと優勝争いできると思う」。

夏以前は、とてもそんなふうには言えなかった。
スランプに陥って「ゴルフがちっとも面白くなかった」と、振り返る。

石川遼くんがツアー２戦目を迎えたフジサンケイクラシックは、大好きな赤いパンツを穿くのを避けた。
５月のマンシングウェアオープンＫＳＢカップで史上最年少優勝をあげたとき、石川くんが着ていたのと同じコスチュームを選ぶことは、当時の髙橋にはなんとなく憚られたのだ。

しかし、本来の調子を取り戻したいまは、堂々と言える。
「今週は、赤いパンツを穿くかもよ･･･！」。
このまま週末まで上位に踏みとどまれば、その可能性は大いにある。

• 髙橋 竜彦
• 石川 遼