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日本オープンゴルフ選手権競技 2007

東北福祉大4年の池田勇太くん「1位を目指してやらないと意味がない」

ボギーなしの1アンダーに「こういうセッテイングでノーボギーなんて、自分でもびっくりです」と、一応は目を丸くしてみせたが、果たしてそれは本心か。千葉学芸高3年の03年に今大会のローアマチュア賞を獲得。
「あのとき、日本オープンのローアマの素晴らしさを痛感。もう一度、取りたい」と話したが本当は、彼の目標はもっと別のところにある。

アマチュア勢では史上最年少ツアー優勝の石川遼くんをはじめ、ひしめく強豪プロにも一歩も引かない。
「プロもアマも、同じ土俵にあがればいちプレーヤー」。
首位と3打差の6位タイスタートに、「優勝を目指してやらなければ意味がない」と、言い切った。

「確かに、今の僕にはプロの人たちより劣る部分があるけれど。でも勝る部分もある」。
たとえば、どんなピンチにもけして諦めないしぶとさ。
練りに練った、コースマネジメントもまた然り。
そして何より、アマチュアとは思えないふてぶてしさが、彼の一番の魅力。
大学OBの谷原秀人が笑う。
「あいつは、昔からオヤジみたいな性格。いつでもどこでも、強気なところがヤツの強み。誰よりプロ向きな性格ともいえる」。

19位タイに終わった4年前の今大会も、やっぱり勝つつもりで戦った。
「でも、あのときは勢いだけだった」。
その後、名門・東北福祉大に進み、今年はキャプテンとして、星野英正らが築いてきた黄金時代を継承。
チームプレーの中で培われたのは「大きな怪我をしないように、プレーできるようになったこと」。
アプローチ、パットの精度も格段にあがった。
もちろん、精神的成長も大きい。

この日初日の好スタートでそれらを存分に証明できた。

来季のツアー出場権を決めるクォリファイングトーナメントは現在、サードステージまで駒を進め、うまくいけば年内にもプロ転向する見込み。
池田さんにとって、これがアマチュアとして最後の日本オープンとなる可能性が高い。
「どの大会でもそうだけど、今週も1打もおろそかにしないでプレーする」。
その思いに一点の揺らぎもない。

池田勇太プロフィール
1985年12月22日生まれの19歳、千葉県出身。
祖父の影響で、6歳からゴルフを始める。高校時代には、日本ジュニア2連覇(2002年・2003年)、世界ジュニア優勝、日本オープンローアマチュア、日本アマチュアゴルフ選手権競技ベスト4など輝かしい成績を残す。東北福祉大学に進むと、環境の変化からなかなか納得のいく成績が残せなかったが2005年の日本学生ゴルフ選手権競技で優勝を果たし、完全復活を印象づけた。
高校3年時にナショナルチームメンバー入り。
中心選手として数多くの国際競技にも出場。特にチーム戦では、持ち前のリーダーシップを発揮し、
日本チームの上位入賞に大きく貢献してきた。
身長176センチ、体重75キロから放たれるドライバーショットは平均飛距離285ヤードだが、池田の真の魅力は、考え抜かれたコースマネジメントと卓越したアプローチ技術だ。
ベストスコアは65。尊敬する人は尾崎将司とか。(JGAホームページより抜粋)

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