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日本オープンゴルフ選手権競技 2007

伊澤利光が自身2度目のタイトル奪取へ

前日火曜日の晩、深夜にひらめいた。「シャフトを短くしてみたらどうだろう?」。第72回日本オープンゴルフ選手権は、幅20ヤード前後の狭いフェアウェーに、生い茂る深いラフ。とにかく、曲げたくない。
そんなシビアなセッティングは「クラブのシャフトを数インチ短くするだけで、安定した球が打てるのではないか…」。

思いついたら興奮して目が覚めてしまい、そのまま2時まで寝られなかったが、こんなことはしょっちゅうある。
マネージャーの前村麻衣子さんによると「伊沢さんは、秋葉原にいる人たちと一緒。頭の中はいつもゴルフで一杯で…。つまり、ゴルフオタクなんですね(笑)」。

特に「この大会だから」、という思いもある。
ツアー初優勝をあげた95年大会以来、2度目のタイトル奪取へ。相当の入れ込みようだという。

それだけに昨晩は、寝る間を惜しんで策略を練った伊沢だったのだが、この日水曜日の練習ラウンド後の表情は冴えなかった。

朝、スタート前にシャフトを数インチ短くして「これで完璧」と、嬉々としてコースに向かったのだが、実際には思ったよりも、良い感触が得られなかったからだ。

「確かに、ショットの方向性は抜群に良くなったんだけど今度は飛距離がねえ…。思ったより飛ばなかったり、飛びすぎたりマチマチで…」と、顔をしかめた。

逆に距離感にばらつきが出てしまい、「ものすごい良い発見をしたと思ったのにがっかりだよ」と、不貞腐れたが第一の目的であるショットの安定性は確保できたから「とりあえず、明日はこのスペックで行こう」と、決めた。
「週末には、良い結果が出てるといいなあ…」。
祈るように話した。

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