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ANAオープン 2007

選手会長が首位タイに

スタートの1番でハプニング。「一度、カップインした第2打が、カップの底で大きく跳ねた」。ギャラリーの目撃談では実際は、ピンに当って跳ねたそうだがとにもかくにも、結局10メートルのバーディパット。「しかも下りのスライスライン」は1.5メートルもオーバーした。

一瞬、ヒヤリとさせられたがこれをがっちり沈めて「上手く波に乗れました」と、深堀。
通算7アンダー首位タイに「久しぶりに狙えるゴルフができそうです」と、戦う男の顔になった。

旧・選手会長の横田真一が振り返る。
「やっているときは、目の前のことに必死で感じないんです。でもあとから思えばあれ(会長職)は激務。本来なら休息を取るべき時間もつねに、どうすればツアーが良くなるかを考えている。オフは打ち合わせや会議で頭を切り替えるヒマもない。想像以上に、大変な仕事です」。

いま、まさにその真っ只中にいるのが深堀だ。
この日の朝も、ひとつ仕事をこなして出てきた。
毎日のように届くファンメール。
激励のほかにも、ツアーへの意見や、苦情などが寄せられる。
「中には、厳しい内容もあるけれど。それも真剣にツアーの将来を考えてのことでどれも有難い」と、全部に目を通してから第2ラウンドをスタート。

「・・・確かに、大変な仕事といえるのかもしれない」。
その分、ゴルフに集中しづらいのも確かだ。

「今季は、まだ良い流れが来ていない」との言葉どおり、4月の中日クラウンズの4位が最高で、賞金ランクは31位(海外の獲得賞金含む)と伸び悩む。

しかし、今まさに、ツアーは変革期を迎えてボヤいているヒマはない。
「選手会長をやらなければ会えないような方とお話する機会がもてたりするから」とプラスに捉え、奔走する日々。
やはり、「会長職は激務なのか」との周囲の雑音。。
「それを払拭する意味でも頑張りたい」。
そのためにも、どうしても欲しいのがツアー通算9個目の勝ち星だ。

「僕は秋以降に良くなるタイプだから。これからです」と、選手会長は語気を強めた。
「いま、ツアーはみんなが危機感を感じてどうにかしようという思いがある。僕は、そんなツアーが、そのうちまた必ず蘇ると信じている。僕の成績が、その起爆剤になれば」。

98年と2005年に続く3度目の大会制覇をその序章にしたい。

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