Tournament article

アサヒ緑健よみうり・麻生飯塚メモリアルオープン 2006

今田竜二「僕では、役不足ですが」

この4日間、毎日スタートテントに座り、選手たちの様子を見守っていた藤井義将プロ。1971年日本オープンチャンピオン。尾崎将司や鈴木規夫、友利勝良らを指導したことでも知られる名選手。
開催コースの麻生飯塚ゴルフ倶楽部の設計者でもあるヘッドプロが、最終日に感心したようにつぶやいた。

「今田くんは、どんなときでも、人に話しかけられたらちゃんと目を見てニコっとするだろう。あの笑顔が良い。アメリカで揉まれてきたせいだろう。プロたる姿勢が備わっている」。

初日ブービーの逆境にもやはり笑顔は忘れなかった。
「招待してくださったスポンサーの方に恥をかかせたくない」と、執念の予選通過を果たすと最終日には10位タイ。
米ツアーシード2年目、100万ドルプレーヤーの実力をしっかりと示してみせた。

6年ぶりの参戦となった日本ツアーについて「レベルは、相当高い。ただ、藍ちゃんやウッズのようなスター選手が少ない」と、語った。
だから男子は人気がない、とか、女子ツアーに負けているとか、言われてしまうのだろう、と。
「・・・それでも、みんなで諦めずに頑張っていれば、きっとまた人気が出るはず、と感じましたよ」。

そう言った今田は4日間、大勢のギャラリーを引き連れて歩いた。
「いえいえ僕では、役不足。でも、今週はたくさんの人たちに応援に来ていただいて嬉しかった。応援も大きくて、良い1週間になりました」と、振り返った。

次週は、静岡県御殿場市で行われる三井住友VISA太平洋マスターズ。
「来週も頑張ります」。
爽やかな笑顔を残して、自身初の福岡をあとにした。

今田竜二いまだりゅうじ
1976年10月19日生まれの30歳、広島県出身。父・隆史さんの影響で7歳からゴルフを始め、宮浦中2年の14歳で、ゴルフ留学のため単身渡米。
アマチュア時代の主な戦績に90年の日本ジュニア4位、AJGA(米ゴルフジュニア協会)通算6勝、97年米国パブリックリンクス2位、全米アマベスト8など。
99年6月にはジョージア大学最後となったNCAA選手権で個人2位になり、団体戦優勝に大きく貢献した。
99年に、ファイナルQTランク17位の資格で日本ツアーと、いまの米二部ツアーのネーションワイドツアーにあたるバイドットコムツアーの出場権を手にした。
2004年に同ツアー賞金ランク3位に入り、2005年から目標だったUSPGAツアーの出場権を獲得。
今季は、ホンダクラシック13位タイ、ベルサウスクラシック10位タイ、全米オープン12位タイ、BCオープン12位タイ、賞金シードが決まる先週のクライスラー選手権で13位タイに入り、ランク92位で2年連続のシード権、そして100万ドルプレーヤーに。

関連記事