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アサヒ緑健よみうり・麻生飯塚メモリアルオープン 2006

ジーブ・ミルカ・シン「僕のパワーの源です」

ホールアウト後のレストランで一気飲み。グラスをたちまち半分カラにして、満面の笑みでジーブがうなづく。

「グッドテイスト!!」。

手にした緑色の液体は、今大会の特別協賛アサヒ緑健の看板食品『緑効青汁』だ。
1パックの粉末を、水などで溶かして飲むこの健康飲料はリーダーのお気に入り。

かたわらの婚約者、クドラ・ブラーさんが苦笑しながら言った。
「あの人ったら、毎日4、5杯は軽く飲んじゃうの。それだけじゃないわ。わざわざペットボトルに詰めて、ラウンドにも持っていくのよ。本当に大好きなのねえ。・・・でも、なんて言ってる私も実は、これが大好きなんだけど(笑)。毎日、彼と一緒に飲んでるわ」。

先週、スペインから戻ったばかり。時差ぼけや体の張りに加え、この日3日目は朝から発熱、咳も出た。
「インフルエンザの疑いもある」というほどの症状ながら、依然として首位キープ。
しかもバックナインは、なんとパーがひとつもない。
後半だけで6バーディ3ボギーは、怒涛の上がり3連続。
通算18アンダーは、2位と3打差だ。

「・・・青汁のおかげだよ」とのコメントは、けしてお世辞ではない。
「朝一杯飲むだけでものすごくパワーが出る、と彼はいつも言ってるわ」と、クドラさんも証言する。

飲んだだけで、どうしてこんなに元気が出るのだろうか・・・。
本人も興味津々で、前日2日目に大会スタッフに「この粉は一体何で出来ているのか」と、真剣な顔で尋ねてきたそうだ。

最終18番で15メートルもの長いバーディパットをど真ん中から決めたように、特にパッティングが絶好調。
「明日も、この調子でぜひ勝ちたい」。
先週の欧州メジャーチャンピオンが、いよいよ悲願の日本ツアー初優勝を勝ち取るか。

ジーブ・ミルカ・シン
1971年12月15日生まれの34歳、インド出身。
アジア大会(1958年、東京)400メートル走の金メダリストでもあった父、ミルカ・シンさん(当時ハンデ9)が、趣味でゴルフを始めたのが、ジーブが10歳のとき。このとき、キャディとしてついて行ったことがきっかけで、自身もゴルフをたしなむようになった。
インドにはサッカーやクリケット、ホッケーなど、他にも国民的スポーツが数多くあったが、「ひたすら、コースとの戦いである点に興味を持った」と特にゴルフに熱を入れた。
スカラシップで留学した米テキサス州のアブリン・クリスチャン・カレッジのゴルフ部で、NCAA優勝も経験。
卒業後、1993年にプロ転向し、アジア、日本、欧州の各ツアーを転戦して腕を磨いた。
1996年には日本ツアーのキリンオープンに出場。13位タイの賞金150万円に魅力を感じ、日本ツアーを意識するようになったという。
今季は、4月の欧州&アジアンツアー共催の『ボルボチャイナオープン』と、賞金ランク上位60位までにしか出場権がない先週の欧州メジャー戦『ボルボマスターズ』で2勝目をあげて、日本円にして約1億円の優勝賞金を手にしているだけに、参戦6年目となる今年こそぜひ日本ツアーでも初優勝が欲しい。
ほか、アジアンツアーで5勝。



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