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UBS日本ゴルフツアー選手権 宍戸ヒルズ 2006

谷口徹「本物の感動を伝えていきたい」

東京ゴルフ倶楽部で行われた最終予選でトップ通過を果たし、4度目の挑戦となった先の全米オープン。
「自分のヘタさと、コースに打ちのめされた、という思いで暫くやる気が起きなかった」。

帰国後の約2週間、まったくクラブを握らずに自宅でもっぱら子供の相手。
ちょうど這い這いを始めた長女・菜々子ちゃんの子守に専念した。

「一心不乱に、子供と遊んだ。時差ぼけで、子供と起きる時間も同じでちょうど良かった」。

心身ともに癒されて、このツアープレーヤーNO.1決定戦は早めに会場入り。
月曜日から、3ラウンドの練習ラウンドを重ねて本番を迎えた。

全米オープンの会場は、ウィングドフット。
渡米前から距離が長い、との噂を聞いて「前の週から、振り回していた」。
そのせいで方向性も定まらず、スイングまで崩してしまった。
メジャーで敗れ去った自信を少しずつ取り戻すためにも、今週は「軽め、軽めに」。
ここ宍戸ヒルズカントリークラブも、ラフが深い。
フェアウェーキープが何より重要なセッティングで、「ゆったりとしたショット」を貫くことで「安定性が戻ってきた」という。

メジャーに出場するたびに痛感する思い。
「日本でいくら勝てても、向こうでは通用しない」。
全力でぶつかっても、まだまだ足りない。
「それは想像を絶する世界。メンタル、技術共にもっともっと必死で磨いていかないと・・・」。
ますますその思いに突き動かされる。

ツアーではいま、ファンサービスや社会貢献、チャリティ活動にいっそう力を入れる動きがあるが、谷口はこう考えている。
「プロならば、まずはプレーで見せるべきだ、と」。
たとえば、一時代を築いたAONは真剣さとか気迫といったものがあふれ出ていた。
「内側からにじみ出てくるもの、本物の感動。そういうのを、僕も今のツアーで先頭に立って伝えていけたら・・・」。
そんな気持ちで、決戦の舞台に立つ。

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