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カシオワールドオープンゴルフトーナメント 2006

<NEWS>手嶋多一が欧州ツアーの出場権を獲得

ヨーロッパ進出の夢は、以前からあった。実は、2001年にもいちど挑戦の意思を示していた。
日本オープンを制し5年シードを獲得。賞金ランクも、自己最高の4位につけた年だ。

「絶好のチャンス」と早々に、来季の出場権をかけたファイナルQTのエントリーを済ませた矢先に起きたのが、アメリカの同時多発テロ。
世界情勢が不安定になり、出場を断念した経緯があった。

2003年には賞金ランク5位につけたが翌年には結婚を控えていたし、そのあとは自身の成績が思わしくなく、昨年などはシーズン終盤まで苦戦が続いたりしてなかなかチャンスがなかった。

いよいよ今年、踏み切ることができたのは10月のブリヂストンオープンで今季2勝をあげて、3年間の複数年シードが取れたこと。

「ほんとうに、良いタイミングで勝てた」。
初挑戦の意思を固めることができた。

しかし、11月9日から始まった本番は想像していた以上に過酷なものとなった。
大会は予選4日、決勝2日間の計6日間。
14日には終了するはずだったのだが、大雨のためいきなり初日に競技中止。
2日順延された上に、最終日は再び大雨・・・。

16番ホールを終えたところで再び競技が中断された。
このまま、再開できなければさらに翌日に持ち越す、と大会は発表した。
「・・・無事決勝に進出したものの、このときばかりは『4日間で落ちとけばよかった』と、思いましたね」と、苦笑いで打ち明ける。

しかし心配も杞憂に終わり、約1時間半後に再開されたが、その時点で手嶋のスコアは1オーバー。
「37位前後で、来季の出場権も危ない状態。もうだめだ、と・・・」。

半分、開き直りで迎えた残り2ホール。
17番でチップインパー。最終18番では、グリーン奥からのアプローチでチップインバーディを奪ってイーブンパーまで戻してランク19位。

30位タイまでに与えられる出場権をみごと手に入れた。

長い1週間を終えて、約26時間かけて帰国。
先週土曜日に到着し、4日たった今も時差ボケは続いているが、初挑戦にして出場権獲得には「もう、上等ですね」と、今週のカシオワールドオープンの会場で元気な笑顔を見せた手嶋。

「来年は確かに留守にすることは多くなりますが、向こうに行ったきりというのは多分しないと思う」。
日本と欧州ツアーでそれぞれ14試合ほど出場して両方の賞金シード権を手に入れる計画。
新天地での自身の“開幕戦”は来年以降となりそうだが、出発を前に今週と合わせて残り2戦、日本ツアーで存在感を示しておきたいところだ。

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