Tournament article

カシオワールドオープンゴルフトーナメント 2006

ジーブ・ミルカ・シン「グリーンジャケットが欲しい」

10番パー5。残り270ヤードの第2打で、ドライバーを握って2オン成功。「・・・といっても、94年から使っているものですけれどもね」。

ヘッドがとても小さくて、今で言えば「スプーンの感覚」。
99年から2番ウッドとして使い始めたこのクラブで、ピンまで8メートルに乗せて2パットのバーディを奪った。
たとえ年代モノといっても「ティアップしないでドライバーを打つなんて・・・」同組の原口も舌を巻くプレーぶりは、ピンチらしいピンチもなく、ボギーなしの69。
首位タイに躍り出た。

もともと眼光鋭い選手だが、今週はますます際立っている。
現在、世界ランク63位。
来年のマスターズの出場権が手に入る同ランク50位まであと一歩。

香港から会場入りした今週水曜日、真剣な目をして親しい関係者に打ち明けている。

「なんとしてもオーガスタに出たい。そして、最終日にはグリーンジャケットが欲しいんだ」。

今年10月、欧州メジャー『ボルボ・マスターズ』で優勝賞金約1億円を獲得した。
また、アジアンツアーでは約7000万円を稼ぎ、最終戦のボルボマスターズを残してすでに賞金王が確定している。
そして、日本ツアーの獲得賞金は約5500万円(ランク15位)。
今年、出場37試合で稼いだ金は約2億円。
それでもまだ飽き足らず、年末までにあと2試合出場する予定というからおそれ入る。

世界中を旅して歩くタフガイは「これで日本で勝てば、完璧な1年になる」。
参戦6年目の日本ツアー。
「大好きな国」での勝ち星がひとつもないままで、2006年を終わるわけにはいかない。


関連記事