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コカ・コーラ東海クラシック 2006

深堀圭一郎「奇跡の予選通過です」

「昨日も赤、今日も赤」。大会主催のコカ・コーラの企業カラーが赤。だから、同社とサポート契約を結ぶ深堀は今週、毎日赤のウェアを着るつもりだ。

「日本オープン以上に、思い入れがある。それがこの大会」。

なんとしても、ここで結果を残して盛り上げたい気持ちが強いが昨年は、予選落ち。
コースとの相性が悪い。過去12回出場して、最高が16位。

「僕には立ちづらいホールが多くって・・・」。
しかし、そんな言い訳はできない、したくない。

2年連続の予選落ちは絶対に避けたかった。
だから今年は思い切って、プロ人生において自身2度目というハウスキャディを起用した。

ここ三好カントリー倶楽部で6年のキャリアを持つ豊田さつきさんだ。
果たして、効果は予想していた以上だった。

風向き、グリーンの読み、番手選び。
キャディとしての、基本的なアシストだけではない。
刺激を受けるのは、何より彼女のド根性だ。

14本のクラブのほかに、もしものときの予備の傘、数本のペットボトル・・・。
プロ仕様のキャディバッグは、20キロを優に超える。
男性でも手を焼く重さに、女性のハウスキャディは通常、手押しカートを使用する。
プロキャディでも選手のほうで、軽量タイプのバッグを用意したり、気遣うことが多い。
もちろん、深堀も「コロコロしていいよ」とカートの使用を勧めたが、豊田さんはこれを断った。

「常に選手の近くにいて、支えたい」と考えた豊田さんは、カートを引く分だけ「深堀さんとの距離が遠くなる」と判断したからだ。
また、軽量のバッグに変えてしまえば、宣伝効果も薄くなる。
赤と白のツートンで、大きく社名が入ったキャディバッグは、緑のコースでたいそう映える。
セルフ用のものにしてしまうと、インパクトは半減するだろう。
ホストプレーヤーのキャディをつとめるからには、それは絶対に避けたい。
「・・・やっぱり、このまま担がないと、と思ったんです」と、豊田さん。
この心意気に、選手も自然と気合が入るというものだ。

「それ以外にも愚痴を聞いてもらったり、リラックスさせてもらったり・・・。日に日に、息が合ってくる、という感じなんですよ」(深堀)。
この日2日目の69は、最強タッグのおかげにほかならない。

「三好で奇跡の予選通過」(深堀)を果たしたら残り2日も力を合わせ、狙うものはひとつしかない。

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