Tournament article

ザ・ゴルフトーナメントin御前崎 2006

谷口徹「お父さんのゴルフ、見てくれた?」

プレーオフ3ホールの戦いに、専属キャディの清水重憲さんには時間外手当を?!
激戦を戦い終えると、谷口は途端に父親の顔に戻った。優勝インタビューで、「早く子供の顔が見たい」と、てらいもなく笑った。

これまで、ゴルフ一筋でやってきた。
ふてぶてしいまでの攻撃ゴルフが身上だった。

しかし昨年、元・ANA客室乗務員の亜紀さんと結婚。
長女・菜々子ちゃんにも恵まれた。
家族という新たな生きがいを得て、「ゴルフが100%でなくなった」。

試合中にも、「風邪などひいていないだろうか」とふと、不安がよぎる。
家に帰れば子供の笑顔に癒される一方で、「オンとオフの切り替えができなくなった」。
会場に来ても「優しい父親」のまま。
戦う男の顔が、作れなくなった。

以前なら、必ずモノにしてきたはずの勝ちパターンで、ことし幾度もチャンスを逃してきたのは、「気持ちに緩みがあったから」。

その反省から今週は「コースと家。180度、気持ちを切り替えよう。試合が終わったら思う存分、父親に戻ろう」。
そう決めていたのだ。

優勝インタビューで一転、厳しい表情を解いて、テレビカメラに向かって目尻りを下げたチャンピン。
「まだ小さくて分からないから」と照れながらも、「お父さんのゴルフ、お母さんと一緒に見てくれた?」と、優しい声で呼びかけた。

大ギャラリーを前に、最後まで息詰まる接戦を演じることができた。
その姿をブラウン管を通じ、家族に見せることもできた。

よき家庭人であると同時に、強いゴルファーであること。
コースでは最高のパフォーマンスをして、ファンに喜んでもらうこと。

それが、いまの谷口の理想だ。

「今日、見にきてくれた方が『男子ゴルフって面白いよ』って、また別の人を誘って見に来てくだされば、きっと自然とファンも増えていく。口コミで、人気が広がっていく。これからも、そんなゴルフがたくさん出来ればいい」。

今年はこの1勝を糧に2002年以来、2度目の賞金王を狙っていくと公言した。


  • 優勝副賞は「御前崎茶」と「遠州夢咲牛」「近海生カツオ」。地元の特産品はもちろん家族に!
  • 長丁場の戦いに最後まで付き合ってくださったギャラリー、ボランティアのみなさんをねぎらった谷口「みなさんのおかげで、思い切り戦うことができます!」

関連記事