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ゴルフ日本シリーズJTカップ 2005

賞金王・片山晋呉が3日目スタート前に棄権

前日2日目の18番ホール。結局、これが今季最後のプレーとなってしまった
このツアー最終戦。マネージャーや、メーカーのスタッフには「なんとかして、最後までプレーしたい」と、訴えていたという。しかしそんな片山を、周囲が押しとどめた。MRI検査をした医師にも「いまは、無理をしないで2、3週間は安静にして欲しい」との診断を受けた。

背中を痛め、欠場を余儀なくされた先週までの3週間、懸命の治療を続けた。
過去にも手術歴のある椎間板ヘルニアには、内視鏡で直接、注射する方法も試みた。

しかし今週も、依然として痛みは去らなかった。

もし、このまま症状が続くようなら関節炎の恐れもある。
そうなれば、さらに専門的な治療が必要となる。
いま、ここで無理をすることは得策ではない。
やむなく、3日目からの棄権を決めた。

三井住友VISA太平洋マスターズ、ダンロップフェニックス、カシオワールドオープン・・・。

秋の、いわゆるインターナショナル3連戦は海外からのトッププレーヤーが大挙してやってくる。
この“直接対決”は、「全部、勝つつもりでやりたい」。
そう力強く語っていた。

結局、すべて“留守”にしなければならなかった悔しさは、前日2日目の記者会見でも強く見られた。

「毎年、やれるだけの努力をして頑張っているけど、追いつかなかった。持って生まれたものまでは、変えられなかった・・・」。

今季初優勝をあげた10月の日本オープンで、「体が小さいことが、僕の原動力」と言った。
自分の弱さを自覚して、それを補おうとする日々の努力には凄まじいものがある。

それでも、海外を含めて26試合に出場したスケジュールにはとうとう体が悲鳴をあげた。
「これ以上、どうすりゃいいのか・・・」と、つぶやいた片山。

これを今後の課題として来シーズンは出場試合数を見直し、このオフにはもういちどいちから体つくりに励む。

2年連続の賞金王は少々、あと味の悪いものとなってしまったが最終日、全員参加の表彰・閉会式には再びコースに来て、この1年の感謝の気持ちを伝えるつもりだ。

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