３位タイの締めくくりに、「上出来です」と手嶋。今季前半戦は、散々な内容だった。開幕から４試合連続の予選落ちは、プロ転向以来、初めての屈辱。

シーズンもいよいよ後半を迎えるころでさえまだ獲得賞金1000万円にも満たず、賞金ランクによるシード権の確保も厳しいという状況に、「終わった、俺の人生」と、冗談まじりにぼやいていたものだ。

そんなドン底から執念で巻き返し、賞金ランク21位で２年ぶり５度目の出場を果たしたこの今季最終戦。
最終日はスタートの１番で10メートルのバーディパットをねじ込んで、勢いづいた。
この３日間、平凡なパーに終わっていたチャンスホールの17番では、グリーンエッジから２メートルを決めて、この週初バーディ。
「今年ずっと悪くて、最後に盛り上げることができたことは、すごい自信になります。･･･来年はぜひ、優勝して出たい」。

来年は“ツアーチャンピオン”の資格で、ここ東京よみうりカントリークラブに立つと誓った。

• 手嶋 多一