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カシオワールドオープンゴルフトーナメント 2005

シード落ちした選手たち、それぞれの道

今年、賞金ランクによるシード落ちを喫し、なおかつ、永久シードなど、他の出場資格を持たない選手は井戸木鴻樹、真野佳晃、河村雅之、高見和宏、桧垣繁正、平石武則ら。

来季の出場権を失って、11月30日(水)から予選4日間、決勝2日間の日程で、熊本県のくまもと中央カントリークラブとグランドチャンピオンゴルフクラブの2会場で行われるファイナルクォリファイングトーナメント(QT)に挑むことになった。

逆転でのシード権確保を目指しながら今大会で40位に終わり、賞金ランク88位にとどまった真野(=写真上)は「もう、3週前から覚悟はできていた。来週は、死ぬ気で頑張ります」と、過酷な6日間を戦い抜く覚悟だ。

3日目に一時は首位に立ちながら、13番でOBを打って後退。40位に終わり、賞金ランク100位で8年間守ってきたシード権を失った桧垣(=写真中)は、「今週は、3位内に入らなくてはいけない状況でした。来週のQTは気分的にもしんどいけれど、やらないと仕方ない。前向きに頑張ってきます」と話した。

そのほか、これまでは毎年、適用されてきた生涯獲得賞金25位内の出場資格が今年から変更となり、1年1回限りの適用となったことで、来年の出場権を失った選手がいる。

ブライアン・ワッツ、デービッド・イシイ、渡辺司、中村通、尾崎健夫、湯原信光、藤木三郎、芹澤信雄、山本善隆、東聡、高橋勝成らがその該当選手で、来年の出場権を手に入れるにはやはり、11月30日から行われるファイナルQTに行かなくてはならない。

そのうち、渡辺司は「体力、気力の限界」を理由に現役引退を表明し、「QTには出場しない」と明言した。

尾崎健夫、湯原信光、芹澤信雄、東聡らはカシオワールドオープンの会場で、ファイナルQTのエントリーを済ませ、休む間もなく練習ラウンドのためコース入りをする。

賞金ランク96位につけていた東聡が、シード復活するためには今大会で3位内に入ることが条件だった。
東は最後までその望みにかけた。
通算5アンダーで迎えた最終日の18番パー5。
2オン狙いの第2打はいったんピン手前に落ちたものの、グリーン奥のラフに転がりこんだ。
3打目のアプローチは「入れに行ったんだけどね・・・」。
ピンを6メートルオーバー。
バーディトライもカップをそれて、結局パー。
結局、12位タイに終わり「このまま、行ってくるよ」。

高知県から、直接QT会場の熊本県に入る。

2度のヘルニアを患い今年はヒジ痛に悩まされた湯原は、自身初となる、いわゆる出場予選会に挑むこととなった。
以前から、アメリカのシニアツアー参戦を切望している湯原は、今年48歳。
それまでの2年余りをより良く過ごすためにも、「レギュラーツアーの出場権はぜひ、確保しておきたい」と、話す。
ツアー通算7勝。20年連続でシード権を確保していた時期は、ツアーきってのショットメーカーと呼ばれた。
もちろん、今でも「体さえ良い方向に行ってくれれば、ゴルフは普通にできるのだから」と、自負をにじませる。
とりあえず来年の出場権を手に入れ直し、体の回復につとめながらシニア入りまでの準備期間を充実させる計画だ。

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