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マンダムルシードよみうりオープンゴルフトーナメント 2005

川岸良兼が、2位と4打差の単独首位

スタートの1番ティショットで、インパクトの前にカメラのシャッター音が鳴った。「一瞬、ドキっとしたけど」。あとには、引きずらない。「余裕が、あるからね」。左ラフから残り65ヤードの第2打を、右手前1.5メートルにつけてバーディを奪うと、そのあと5ホールで6アンダー。

3番パー3では、5アイアンで打ったティショットがほとんどダイレクトにカップインした。
「・・・ゾーンに入ってるのか。単にツイてるだけなのか」。

コース戦略として、一応は「置きに行くホールと、振っていくホールを決めている」という。
少しでも危険を感じたホールは、「ヒールで打って、左からフェードボールで打つイメージ」。
その分、飛距離は20ヤードほど落ちるが、何より安定した球筋で打てる。
そうして常に、安全策を取っているつもりだが、結果的には無意識に、果敢に攻めている自分に気がつく。
「いつの間にか、ピンに行ってて」。
昨シーズンから、より高い弾道を求めて取り組んだスイング改造も奏効し、自信が戻ってきた証拠だ。

ここよみうりカントリークラブは、いたるところに白杭が目立つ。
スランプに陥ってからは、もっとも苦手なコースのひとつになっていた。「ティグラウンドに立っただけで、『俺にはここは無理だ』って。去年なんかも、最初っからあきらめていた。1日3発のOBは、もうしょうがないって思っていた」。

それほどのコースで、自己ベストタイの63をマークして、いよいよ完全復活の気配が漂う。
2位と4打差で頭ひとつ抜け出したことで、「かえって変なプレッシャーがかかってイヤなんだけど」と顔をしかめつつ、「・・・緊張しながら、やれってことかな」。
それを楽しめそうな、雰囲気もある。

昨年秋から上り調子で、ABCチャンピオンシップとダンロップフェニックスで優勝争い。今季は、出場8試合で2位が2回。
6年ぶりのツアー7勝目は、「今度こそ、逃したくない」。


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