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中日クラウンズ 2004

第45回中日クラウンズ 2位と3打差の単独首位に躍り出た片山晋呉

「マスターズのミケルソンのように、今年は、人を泣かせるようなプレーをいくつも したい」
2位と3打差の単独首位に躍り出た片山晋呉
ギャラリーを、味方につけるのが得意だ。今週も、すでに初日から話題の中心。バー ディを取るたびに 、見せる“ハッスルポーズ”。格闘技の小川直也選手が勝利を収めるたび、マットの 上で披露するあの ポーズだ。「かっこいい」と片山もラウンド中に取り入れている。この日も、出だし の1番でいきなり このポーズが飛び出した。1メートルを決めるなりグリーン上で、いたずらっぽい笑 みを浮かべながら 腰に手をやり『ハッスル、ハッスル』(=写真)。
片山のこのパフォーマンスのうわさを聞きつけてかけつけたギャラリーもあり、1番 ホールからさっそ く笑いと歓声に包まれた。
ゴルフ界を盛り上げたい、という思いは、もともと人一倍。その気持ちは4月、いっ そう強くなる。
今年は、昨年まで3年連続で出場を果たしていたマスターズに出番がなく、久しぶり に日本で最終日の 優勝シーンを観戦した。
今年、その栄冠を手にしたのは、ツアー22勝の実力がありながらいまだメジャーの優 勝経験がなく“無 冠の帝王”と呼ばれていた、フィル・ミケルソン。
通算8アンダーで並んで迎えた18番。奥5メートルにつけたバーディチャンスを沈めた フィルが勝利の雄 たけびをあげた瞬間、思わず片山も涙していた。
そして思った。「ゴルフでこんなにも、人を感動させられるんだ・・・」。スポーツ は、筋書きのないドラマ。ミケルソンの優勝シーンで、それを強く実感させられた。 そして、改めて自分のプレーを振り返り、「自分には、こんなふうに他人が泣いてし まうほどのゴルフができるろうか」と考えて みた。「・・・そんなゴルフ、めったにできるもんじゃない。これからは、そういう 試合をいくつもし ていきたい、と心底思いましたね」。
記念のこの45回大会は、会場に入るから狙っていた。自分の名前との語呂合わせで、 「45」は片山のラッキーナンバーでもある。メモリアルの年に自分の名前を刻み込 み、観衆を感動の渦に巻き込むつもりだ 。

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