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日本ゴルフツアー選手権 宍戸ヒルズカップ 2004

学生時代以来のチームメイトとのアベック優勝を狙う近藤智弘が、単独首位キープ

場所によっては150ミリ以上まで生い茂った深いラフに、うっそうとした宍戸の森は フェアウェイまで せり出して、いっそうコースを狭く感じさせる。
さらに待ち受けるグリーンは、日に日に硬さと速さを増して、ミスショットを容赦な く撥ねつける。
ツアープレーヤー?1を決めるにふさわしく仕上がったこの難コースで、この日2日 目も好調をキープ 。15番までにボギーなしの3アンダーでまわっていた近藤も、最難関の上がり2ホール でいよいよ宍戸の 罠にはまった。
17番パー4で、左セミラフからの第2打をグリーン左に外してボギー。18番では、フェ アウェイからの第 2打を右手前のラフに入れ、アプローチも大きくオーバー。連続ボギーのフィニッ シュに、ホールアウ ト後は表情を曇らせながらつぶやいた。
「・・・やっぱり、悔やまれますよね・・・」。
2日間でアンダーパーをマークしている選手はわずかに8人。数少ないプレーヤーの中 に名を連ね、お まけに、単独首位をキープしていることも、すぐには近藤の慰めにはならなかった。 「2つのボギーが、明日に響かなければいいけれど・・・」と、しばらく不安げな表 情は 晴れないままだった。
その近藤が、ようやく普段の明るい笑顔を取り戻したのは、今週の女子ツアー初日の 結果を聞かされたときだ。
ベルーナレディースカップで、西川みさと選手が首位タイ。
西川選手は、専修大学時代の同期で、しかも学生の大会では、何度も近藤とアベック 優勝を飾ったゲンの良いチームメイトだったのだ。
この朗報に、思わず近藤の顔がほころぶ。
「うわあ、そうなんですか?!・・・今回も、2人して初優勝ならいいですね!」 と、思 わず本音がポロリ 。しかしそのあと慌てて表情を引き締めて、「いやいやまだ2日もある、それは ちょっと早すぎますね 」と取り繕ったが、目は笑っていた。
それでも実際に、今週はショットが絶好調。難コンディションの中、初優勝を狙って いけるだけの手ご たえもある。
「この調子をキープしていければ、なんとか行けるのでは・・・」。もともとは、底 抜 けのプラス思考が 持ち味の選手。最後には、上がり2ボギーのこともすっかり忘れて、決勝ラウンドに むけ戦闘モードに入っていた。

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