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マンシングウェアオープンKSBカッフ゜ 2004

マンシングウェアオープンKSBカップ初日三橋達也が、6アンダー首位タイ発進

グリーンの中に、バンカーがある2番パー5。2オンに成功したものの、イーグルパッ トが狙えない。ピ ンまで30ヤードのグリーン右サイドに乗った第3打は、バンカー超えだった。滑らか なグリーン上でウ ェッジを使うのは、「本当なら、ザックリしそうですっごく気持ち悪い」ところだ が、今週は「“神様 が作ったサンドウェッジ”があるから」。1.5メートルにピタリとつけてバーディ だ。
現在、ドライビングディスタンス7位。飛ばし屋の三橋が、ショートゲームでも頼り になる道具を手に 入れた。
鍛造アイアン作りの名工、“三浦技研”の創業者・三浦勝弘さんが自ら削り出したサ ンドとピッチング ウェッジ。大会週の火曜日、ツアーに初めて乗り入れた同社のサービスバスの中で、 三浦さんが三橋の オーダーに忠実に、仕上げてくださった貴重な2本だった。
その確かな職人技をうわさに聞いていた三橋は、「本当なら、僕なんかには無縁の 人」とは知りつつ、 今週、トーナメント会場で三浦さんの姿を見つけた瞬間、強い欲求に突き動かされて いた。
これまで2年間、愛用してきたウェッジは、使い込みすぎてすっかり溝がなくなって いた。ずっと新し いものを探していたが、これといった道具にいまだ出会えずにいた。
「この出会いを逃すと、一生、チャンスは来ないかもしれない・・・」。意を決して 三橋は、「僕にもクラブを作っていただけませんか」と、恐る恐る三浦さんに声をか けたのだった。
出来上がったウェッジを手に取ったとき、思い描いていたとおりの仕上がり具合に三 橋は、呆然とこう つぶやいていた。
「これは・・・神業だよ」。
三橋がずっと追い求めていた「どんなライでも地面に刺さらず、抜けの良いウェッ ジ」が、これからの自身のゴルフの、大きな武器となることを確信した。
愛用のウェッジを変えることは、選手にとっては「ものすごい冒険」。しかし、「そ れが三浦さんが作 ってくださったウェッジだ、と思えば、怖いものは何もなかった。今日は“神様の ウェッジ”が、チャンスをつくり、ピンチを救ってくれたんです」。
“神様”に導かれて、66の6アンダー首位タイ発進。「三浦さんのおかげで、今日は 100%のゴルフがで きました」と、感謝しきりの三橋だった。

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