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アコムインターナショナル 2004

鈴木亨が、ツアー通算7勝目「人間、諦めてはいけない、ということを改めて痛感させられた今回の優勝でした!」

最終日は悪天候のため残念ながら中止となり、競技は54ホールに短縮されたが、依然として降りしきる雨を避け、きゅうきょクラブハウス前で行われた優勝カップの贈呈式は、思いがけずアットホームな雰囲気に包まれた。

チャンピオンと、集まってくださったファンのみなさんとの距離は、柵を挟んでわずかに1メートル。木下恭輔・大会名誉会長(アコム株式会社代表取締役会長)から優勝杯を受け取ったあと、柵の外から次々とさし出される祝福の手を、鈴木はひとつひとつ握り締めて歩いた。

最終日の18番ホールで披露できなかった優勝シーンも、しっかりと見せた。この週、バッグを運んでくれたハウスキャディ歴10年の沼田文子さんと、マスター室前で熱い抱擁。

大会初日、風の読みに苦しんで、初めの6ホールで4オーバーを打った鈴木を、励まし、奮い立たせてくれたのが、ほかでもない沼田さんだった。

出だしのつまづきに、「もう、やめちゃおうか…」と落胆する鈴木に、沼田さんは力強く言ったのだ。
「何を言ってるの。まだまだ、行くわよ。ゲームはこれからなんだから!」。
この言葉に発奮。盛り返して、翌2日目には通算5アンダー5位タイで予選を通過し、さらに大会3日目には63をマークして、2位と3打差の単独首位に躍り出た。
ドラマは、初日の4ホールから、すでに始まっていたのだ。

過去、98年のよみうりオープンは、今回とは逆のパターン。最終日の12番ホールでチップインバーディを奪って首位に立った直後に、大雨で競技は中断。そのまま再開されることはなく、結局、前日まで首位に立っていたブライアン・ワッツに勝利を譲るなど、この15年間のプロ人生で、「俺には運がない」と、思わざるを得ない経験は、数え切れないほどしてきた。
打ちのめされ、ボロボロになっても、再び這い上がって努力を続けた日々が、いよいよこの日報われた。
「ようやく、僕にも運が向いてきたかな…(笑)。世の中、そんな捨てたもんじゃない。人間、どんなときも絶対に諦めてはいけないということを、改めて痛感させられた今回の優勝でした!」。
謙虚に、真摯に白球に向かう者を、ゴルフの神様はけっして見捨てたりしない。

  • 「初日は少し調子が悪そうでしたが、2日目、3日目と調子をあげて今日の最終日は絶好調!プレーが再開されていても、鈴木プロは勝っていたはず」(沼田さん)

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