Tournament article

ブリヂストンオープンゴルフトーナメント 2004

谷口徹「丸山君をおさえて今週の主役になれたことが嬉しい」

首位と3打差の6位からスタートした最終日。8番ホールのスコアボードを見て、驚いた。
丸山茂樹が、首位に浮上していた。初日は、72位タイからの優勝争い。「さすが、ブリヂストンの契約プロ」と、その底力に改めて舌をまく反面、「このまま勝たせたら、またアメリカとのレベルの差、とか言われてしまう。僕が頑張らないと…」。
たちまち闘争心に火がついて、その8番で10ヤードをチップインバーディ。

ここからがぜん、「元気が出た」。その気になったらあとは、1打1打に集中してホールを進むだけだった。そうすれば、おのずとトップの座がこの手に転がりこんでくることは、経験で知っている。
「普通にやれば誰にも負けない、という自信が、戻ってきていましたから」あっさりと言って、通算9勝目をさらって行った。

最後まで優勝を争った丸山茂樹にとって、今大会はホスト試合だった。絶大なる周囲の期待を、谷口が、良い意味で裏切った。米ツアー3勝の実力者との息づまる激戦を制し、完全復活を印象づける2週連続優勝。

「丸山君をおさえて、今週の“主役”になれたことが嬉しい。…関係者のみなさんには、『お前、何すんだ』と言われてしまいそうだけど(笑)」。

その丸山からは、「早くアメリカで一緒に戦おう」とのメッセージも受け取っている。
また「谷口君は、アメリカ向きの選手だから」、とも。
「マルちゃんこそ1試合と言わず、4つ5つは日本でプレーして盛り上げてよ」と、軽く受け流すポーズを見せつつ、世界を股にかける丸山の言葉が、負けず嫌いの谷口をその気にさせたことは、間違いない。


関連記事