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ブリヂストンオープンゴルフトーナメント 2004

大会ホストプレーヤーの近藤智弘が首位発進「見ているだけで、イメージが良くなっていく気がします」

スタートの10番ティで、まっすぐに足を向けた。脱帽して、右手を差し出す。
「丸山さん! 今日はよろしくお願いします!」。
「おっ、近ちゃん。こちらこそよろしくね」

満面笑顔で答えてくれたことが嬉しかったが、それでも、緊張は去らない。
何しろ、相手は米ツアー3勝の偉大なプレーヤー。しかも、近藤がデビューした2000年に、入れ違いで世界へと旅立っていった。これまで一緒のプレーはおろか、親しく話したこともほとんどなかった大先輩だ。

「今日は朝から、…いえ、組み合わせが発表されたときから、緊張していて…。でも、こんな機会はもう、これから何年先もないかもしれない。せめて、ラウンド中は見とれすぎてギャラリーにならないように。この機会にできるだけ近くで、いろんなショット見ておきたい、と思ったんです」。

もともと、カンの良い選手だ。特に抜きん出ている、と言われる丸山の小技を、近藤は1日で盗んでしまった。
バンカーショットを次々と、ピンに絡めてパーセーブ。16番では、残り23ヤードのバンカーショットを2メートルにつけてバーディも奪った。

「まさか、1日だけで参考にできるわけじゃないけど、丸山さんのプレーを見ているだけでイメージが良くなっていく気がします」と、マルちゃん効果で1イーグルを含む66の首位発進。

用具契約先ブリヂストンの主催で、「特に頑張りたい試合」での好スタートにも、むしろ気にかかるのは、引き続き丸山との翌2日目のラウンドだ。

「あと1日、丸山さんのプレーがそばで見れる、と思うとほんとうに楽しみです」。
いずれは、米ツアー進出が目標という近藤にとって、今回のこの2日間は、生涯、忘れられないラウンドとなりそうだ。


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