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東建ホームメイトカップ 2004

賞金王・伊沢利光が開幕ダッシュ、首位タイ

後半3番からの3連続を含む8バーディ1ボギー、64の7アンダー首位発進も、本人には 当然の結果だった。「(初日はバーディが)4つ、5つに、たまに長いのが入って6アンダーくらいかな、と思ってた。今日は8番で右7メートルからのチップインもあっての7つだし、計算ど おり。…いまの自分のゴルフなら、普通にやってまあ、それくらいかな、とは思って たんですよ」。

えらぶるでもなく、謙遜するでもなく、ごく自然体。淡々と、客観的に賞金王は自身を見つめている。

スタートの10番ホール。2004年ジャパンゴルフツアーでの第1打こそ、「オフの調整 が、試合でうまく出せるのか…」との不安が頭をよぎったが、それも、一瞬で消え去った。

練習日にドライバーを0.5インチ、アイアンを0.25インチ短くしたクラブ調整がはまり、ショットの調子は思い通り。

ツアーで初めて持つ39.25インチの中尺パターも距離感が合って、イメージを裏切らない働きをしてくれる。
「マスターズでも、使う可能性が大きくなってきた」。
この1日で、ガラスのグリーンといわれるオーガスタでも通用するとの確信さえ沸いている。

初の賞金王に輝いた2001年は、「このままで本当にいいのか」との疑問をもちなが ら、翌年の開幕戦を迎えたものだった。

だが今年は「全然違う、今回のほうが自信 を持ってやれている」。
賞金王として迎える2度目の春は、タッグを組んで2年目の江 連忠コーチとのオフ調整も順調に、一点の曇りもない。

「例年より良い内容に、まずはひと安心。良い結果が出れば、それがさらに自信につ ながりますからね」と話す伊沢。今年の目標は、年間4勝以上で、2年連続の賞金王 だ。さっそくの開幕ダッシュで、2004年も日本ツアーを伊沢一色で染め上げる。

写真=今季、伊沢が選び抜いたのは、赤いグリップが鮮やかなスコッティキャメロン 『フューチュラ』。39.25インチの中尺パターは、「僕の場合、グリップエンドを少 しお腹につけて振り子の原理で打ちます」。ホールアウト後もパッティンググリーン で、弟子で女子プロの米山みどり選手(=手前)にラインをチェックしてもらいながら、延々、日が暮れるまで球を転がしていた。

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