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中日クラウンズ 2003

『良い勉強になったと思って・・・』いったんは首位でホールアウトした手嶋多一、2罰打で単独3位に

上がり3ホールでバーディを奪い、いったんは近藤と並んで気持ちよく、スコアボードのトップに居座った手嶋だったが、ホールアウト後に悪い知らせが待っていた。
トーナメントには、通常営業のコースにはありえないような、ツアーならではのトラブルが起こった場合の処置を、『ジャパンゴルフツアー(JGT)ローカルルール』として定めているが、15番パー5で、このJGTローカルルールの処置違反をしていたことが、わかったのだ。

グリーン奥のテレビ中継用のテレビ台のやぐらのすぐ手前に転がりこんだ第3打。やぐらからの救済において、手嶋は救済の二アレストポイントを取り、1クラブレングス以内にドロップした。そこからグリーンそばまで脱出して、残り10ヤードはチップインパー。無事ピンチを切り抜けた、と思われた。
しかしこの第3打で手嶋が行ったのは、実はカート道やスプリンクラーなど、通常コースにある『動かせない障害物』のときの処置だったのだ。
トーナメント会場に設置されているギャラリースタンドやテレビ台用のやぐらなどは、本来、『”臨時”の動かせない障害物』とみなされる。よってこの場合は、テレビ台のやぐらから1クラブレングス以上、2クラブレングス内の範囲の中で、球をドロップしなければならなかった(介在の処置)。この処置ミスが、あとから発覚した。
ローカルルールの処置ミスには2罰打が加えられる。パーであがれたと喜んだ15番は、結局、『7』のダブルボギーとなってしまい、首位から転落してしまった。
しかしそれでも幸いだったのは、処置ミスがスコアカードを提出する前に分かったことだ。過少申告による失格は逃れて「ホっとしました」と、胸を撫で下ろした。
また、これがまだ大会初日だったことも救いだった。「パットが今日、非常に良かっただけに残念は残念ですが、良い勉強になったと思って、明日から気を取り直してまたプレーします」”幻の首位”の座は、2日目以降に取り返す。

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