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ゴルフ日本シリーズJTカップ 2003

単独首位の手嶋多一

「ひとつでも上を見て」
単独首位の手嶋多一

前日初日に続き、この日も得意のパットが冴えた。13番パー4。「左端に乗っただけの、近くに寄せようと思っただけのが、入っちゃった!」12メートルのスライスラインをねじこんだ。

前の12番では2メートル、次の14番で1.5メートルを入れ、この3連続を含む65をマークして通算9アンダー、単独首位浮上だ。

10度を下回る冷え込んだ気温と雨交じりの天候は、もともとそれほど飛ばすほうではない手嶋には、かなりきついコンディションだったが、「この大会で初日から首位なんてのは過去になかったから、今日は気合が入っていたかな!」。ホールによっては、普段より2番手以上使用クラブを上げることで飛距離をカバーし、かつ傾斜のきついグリーン奥にはけして打ち込まない作戦でスコアを積み上げた。

翌3日目も、やはり雨模様の天気予報だ。最終組でともにまわることが決まった相手は、ツアーきっての飛ばし屋・伊沢利光。今週も絶好調で、6番、12番ホールで計測しているドライビングディスタンスで現在トップに立っている。ティショットではかなり置いていかれることが予想されるが、手嶋はそんな伊沢を「見て見ぬふりする」ことに決めた。「・・・なにしろ、僕はしゃくとり虫ですからね(苦笑)」。タイプの違う選手を意識してもリキむだけで、何もいいことはない。

自身2度目の獲得賞金1億円突破もかかっている。同じく、1億円突破を目指す賞金ランク4位の平塚が、4位に控えている。「今週は、平塚君との4位争い」と笑うが、同ランク5位の手嶋がもし、ここで勝てば4位どころか賞金ランク2位に食い込むことも不可能ではない。

「ひとつでも上を見て、一生懸命にやるしかない」。でっかい目標にむかって一歩一歩、マイペースで突き進む。

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