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カシオワールドオープン 2003

シード3年目の今井克宗が、いよいよ初優勝にむけて最終決戦

最終日は、ラ・ボンバ魂と親方のパワーを借りて・・・
シード3年目の今井克宗が、いよいよ初優勝にむけて最終決戦

今井の愛称、ラ・ボンバの由来は、二浪ののちようやく入った法政大学時代までさかのぼる。スキーサ ークルでその存在を知った元アルペンスキーのアルベルト・トンバ選手。

何度も世界で頂点に立ち、その豪快さとスピード感溢れる滑りから、『トンバ・ラ・ボンバ』と親しま れ、ファンを魅了した一流プレーヤーである。

ラ・ボンバとは、「弾丸」とか、「爆弾」とかいう意味で、“速い”ということを感嘆の気持ちをこめ て称えるときに、形容したりする言葉だそうだ。

今井は言う。

「イタリア出身のトンバ選手はスキープレーヤーとしての才能だけじゃなく、その生き方も『ラ・ボン バ』って感じなんです。ゲレンデを下りても豪快で、私生活でも常に話題をふりまきファンを喜ばそう とする人。そのノリは、ラテンのリズムそのままです。『これぞ、プロスポーツ選手』って感じの存在 感に憧れて、自分もいずれはああいう選手になりたいって思ったのが始まりです」

以来、キャディバッグや持ち物に、『LA BOMBA』のロゴを入れるようになった。日本ツアーでの出場 権を手に入れるまでの3年半、挑戦したアメリカのミニツアーでも、登録名を『カツ・ラ・ボンバ・イ マイ』として戦っていたほどだ。

今週は、初日にパー4でチップインイーグル。前日2日目は、4番ホールでホールインワンを達成するな ど、この3日間というもの、トンバ選手の“ラ・ボンバ魂”をそのまま受け継いだかのような、豪快な プレーが続いている。

またこの日3日目は、心強い援軍があった。

元・大関霧島の陸奥(みちのく)親方(=写真右)。

実は、翌30日(日)から親方の部屋が、地元でキャンプを張る予定になっていた。ちょうど鹿 児島入りしたとき、5年前から知人を介して親交のあった今井がいぶすきで大暴れしていると聞きつ けて、応援にかけつけてくれたのだ。

親方いわく、「僕がコースに着いて、彼のプレーを追いかけ始めたときから急にチャンスが入らなくな っちゃったみたいで…」。申し訳なさそうに話されたが、「とんでもない!それは単に僕の実力。来て くださってありがとうございます!」と、その大きな手をがっしりと握り締めた今井。

地元・鹿児島県出身の親方のパワーを吹き込まれ、ラ・ボンバ今井がいよいよ初優勝をかけた最終決戦を迎える。

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