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アコムインターナショナル 2003

2003アコムインターナショナル 3日目Mr.フィフティナイン倉本昌弘が8年ぶりの優勝へ王手!!

「明日どうなるかは、神のみぞ知る」4打差首位の倉本昌弘
96年の久光製薬KBCオーガスタ以来の最終日最終組、相手は昨年の賞金王・谷口徹とスーパールーキーの宮里優作。しかし倉本は、その2人を軽くいなした。
谷口が、前日初日に倉本が記録した「59」を上回る「13アンダーを出すつもりでやる」とコメントしたことを伝え聞くと、「何言ってんの、今年は不調で最近は口ばっかりじゃないの」と一笑にふした。

宮里については、81年のルーキーイヤーに3ヶ月間で6勝をあげた自らの経歴を引き合いに出し、「彼ほどの素材なら、とっくに優勝くらいしておかないと。そうでないとゴルフ界は盛り上がらないし、スーパースターにもなれないよ」と、きっぱり。

「・・・僕が彼なら、ここ(インタビュールーム)に座ってきっとこう言っていた。『倉本?あんなの敵じゃない。自分のゴルフが出来れば、追いつく”と。そして実際に、逆転して優勝した。僕だけじゃない、ジャンボさん、トミーさん・・・みんなそうやって勝ってきた。でも、今はそういう選手がいないんです」。

3日連続のインタビューでも、自身8年ぶりの優勝のことよりまず、若手にカツを入れたあたりがいかにもマッシーらしい。

この日3日目はといえば、初日から好調のゴルフも、12番でつまづいた。

1メートルもないバーディチャンスを外して、流れが止まった。次の13番パー3では「年なのに無理をして狙っていって」左バンカーに打ち込み、4メートルのパーパットを外した。15番では、10メートルから3パットをたたいてまたボギーだ。

「みんながスコアを落としていって、せっかく差を縮めないでいてくれたのに・・自ら落ちていったのが今日の反省点」。

デビュー年のころならば、ショットが曲がりながらもバーディを奪っていけた。パットを入れまくって勝った。

「・・・だけど今週のゴルフは、ショットが曲がらずグリーン上で2パット。あんまり、経験したことのないゴルフなので、明日どうなるかは“神のみぞ知る”(笑)。だってタイガーだって、80打つこともあるんだものね」と、はぐらかしたが、初日から積み上げた大量リードは、大きなアドバンテージには違いない。

追う宮里とは4打差、谷口ら3位グループとは5打差。「最終日はもっとピン位置を振ってくると思うし、追う人間もそうそうバーディは奪えない。貯金があるおかげで、僕はなんとか明日も“首位”で終われるんじゃないかなあ・・・」と、控えめながら本音もチラリ。

「90点の内容」というショットの好調さも、若手2人の追撃を振り切る好材料だ。

「・・・初日は『59』を出したんだもの。もう、僕の歳になればこんなチャンスはそうそうないし、あとひとつくらい、良いことがあってもいいよねえ・・・?!」。

生意気盛りのときのような派手なV宣言はない。だが、あれから22年の時を経た今だからこそ感じられる勝利の予感を、48歳のベテランは静かに感じ取っているようだ。

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