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日本オープンゴルフ選手権競技 2003

ここ2年、ドン底を味わっている川岸良兼が好スタート、首位タイ

日大3年時の88年に、日本アマ、日本学生、そしてこの日本オープンのローウェスト アマを獲得。学生 ゴルファーなら、誰もが欲しがる3タイトル。これをたった1年で、まとめて手に入れ ているのが川岸だ 。

トップアマとして大活躍のあと、数々のタイトルをひっさげて89年にプロデビュー。 その翌年にはツア ー3勝をあげ、スターダムをのしあがった。その類まれなる才能には、“怪物”との あだ名がついたほ どだ。

それほどの選手が、どん底を味わっている。一昨年から2年連続の予選落ち。特に 2001年は、予選会の クォリファイングトーナメントさえ失敗し、ツアーカードを失った。そのとき残した 「生きていてもし ょうがない」というコメントは、輝かしい実績を持つ選手なだけに、より衝撃的だっ た。

この2年間は、復帰をかけて懸命に努力を続けてきた。今年は夏以降、上位に顔を見 せるようになり、 先週のジョージア東海クラシックでは、久々の最終日最終組。最後に崩れたものの、 「なんとか、3日 目まではゴルフが持つようになってきて(苦笑)、ゴルフを楽しめるようにもなって きたよ」その成果 が、ようやく実りそうな気配だ。

この日初日は、1番で10メートルを沈めて「まぐれスタート」と笑ったが、7番でもこ れまた奥から10メ ートルのバーディチャンスを決めるなど、5つスコアを伸ばして首位タイ発進。
「練習場では、ほとんど理想の球が打てている。あとはコースに出たらどうか、とい うところ。今は、 飛ばすだけではだめ。方向性だけでなく、アプローチとパットを磨いていかないと、 ただの人になって しまう厳しい時代。自信はあるけど、まだまだ不安もいっぱいで・・・」
その穴を埋めるには、納得できる結果を出すしかない。今週、このビッグタイトル で、堂々と復活宣言 がしたい。

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