強風の中、井上が首をかしげる。「なんか、おかしいんですよ・・・。僕にはありえな いくらい、ティショットが曲がらないんです」。
先週開催だった地区競技の関西オープン。10月の日本オープンの予選会でもあるこの 大会で2位に入り、「100万円を稼いだ」。
その金で今週の火曜日、先月の久光製薬 KBCオーガスタで田島創志を初優勝に導いたプロコーチの堀尾研仁さんに、見ても らった。

「これまでまったくの独学だった」井上に、堀尾さんは「ダウンスウィングで、右の 腰が浮いている」と指摘してくれた。「それを防ぐためには常に70〜80％の力で打て ばいい」と言われ、さっそく実践したところ「信じられないくらい、ドライバーが曲 がらなくなったんです」。

初出場の今大会。会場の総武カントリークラブは、「始まる前から『狭いで〜』って みんなに言われていたから」すごく警戒していたという。しかし実際に試合が始まっ てみると「さほどプレッシャーを感じない。それほど、僕のショットが安定してい るってことなんですね！」。この日難コンディションの中で、2バーディ3ボギーの1 オーバー72でまわって、通算2アンダー4位タイに浮上したことで自信がいっそう深 まったようだ。

現在、賞金ランク95位。今大会でトップ5入りすれば、初シードへのチャンスが生ま れる。
来年1月18日には、結婚式を控えているだけに、「明日はゲームを楽しみながら、ど うにか踏みとどまって彼女に良い報告をしたい」。“資金”を稼ぐためにも、最後ま で上位に食らいついていくつもりだ。

• 田島 創志