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フジサンケイ クラシック 2002

「最終組が、好きなんです」単独首位の佐藤信人

 昨年のフィリップモリス以来の最終日最終組に、佐藤は、「最終組って、好きなんですよね」とのんびりと言った。
 その理由は、「後ろから誰もまわって来ないから、プレーに集中できる」とノンプレッシャー。
 これまでのツアー6勝は、ほとんどが、最終組での逃げ切りVだった。「間違っても僕は、追い込み型ではない」と自認する佐藤。
 1打差でひしめく混戦模様とはいえ、通算8アンダーの単独首位スタートに、2年ぶりの優勝が、見えてきた。

 気温が、まだそれほど高くならないこの時期は、いつも持病の腰痛に苦しんできた佐藤。
 だが、今週は、「ここ数年でいちばん」と言うくらい、体調がすこぶるいい。
 今季から契約を結んだトレーナー・外村知嗣(とのむらともじ)さん(36歳)と取り組んでいる、トレーニングの成果だ。
 もともと、アメリカンフットボールチーム「リクルートシーラーズ」の専属トレーナーを12年間務めた外村さん。数年前からゴルフの世界に飛び込み、膨大な数のゴルフビデオを見たり、自らクラブを握ってスウィング時の筋肉の動きを研究するなど勉強を重ね、「佐藤選手のウィークポイントは、ほぼ把握しています」。
 試合のないときは、マッサージ、トレーニングあわせて約6時間、股関節を中心にした下半身、肩まわりなどの強化に、務める。
 今週は、今季初めて会場に外村さんを呼び寄せ、前日2日目終了後には、後2時間のマッサージを行った。
 「今年は、ほんとうに、痛みがまったくないですね」佐藤も外村さんに、絶大な信頼を寄せている。

 先週まで出ていた「フック気味の球が出る」とのスウィング時の悩みも、プロコーチの井上透さんとの話し合いで、「左ひじをたたむタイミングを早くする」ことで、解消済み。
 2年ぶりの優勝にむけ、佐藤に懸念材料は、見当たらない。

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