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三井住友VISA太平洋マスターズ 2002

「3年前と、なんか違うゾ!」

“凱旋帰国”の田中秀道が、単独2位発進

3年ぶりに出場の今大会。
この日初日の好スタートが、田中の成長のあとを、証明した。
「ノーマン、ウェストウッドに、伊沢さん…」(田中)、世界のフェードヒッターたちが、歴代チャンピオンに名を連ねるこの大会は、実は苦手だった。
「ドローヒッターだった僕には、立ちにくいホールばかりで、過去トップ10入りさえしたことがなかったんです」

世界に出るたび、フェードボールの必要性を痛感していた。
何年もかけて取り組んできたが、ダウンスイングでたっぷりタメをとって、ボールを横から弾く打ち方の田中には、なかなか、思うとおりにできなかった。
その糸口が、今年の米ツアー参戦で見つかった。
トッププレーヤーたちを眺めているうちに、ヒントがあった。
これまでは、飛距離が落ちるのが怖くて、タメを維持したまま、フェード球を打とうとしていた。
だが、「他の選手のように、自分ももっとタメを早くほどけば、入射角もきつくなくなるし、クラブも下から入って来ずに、スイングが安定するのではないか…?」と気が付いたのだ。
今夏から実戦すると、てきめんだった。
飛距離が落ちるのではないか、という懸念もテイラーメイドの新しいクラブとの相乗効果でかえって約15ヤード伸びたし、パーオン率やフェアウェーキープ率など、他の部門別も安定した。
おまけに、これまでのスイングで酷使して痛めがちだった右首、右膝の負担が、軽減した。
「今は、まったくといっていいほど、痛まなくなりました」と、ニュースイングは、メリットづくし。

後半戦で米ツアーのシード入りできたのも、その成果に、ほかならない。

アメリカで完成されたスイングは、苦手だった御殿場での戦い方をも変えた。
「どのホールも非常に立ちやすいし、精神的にも、間違いなく、3年前となんか違うぞ、という感じ(笑)。僕もそれなりに、成長してるんですね」
今大会での「ベストスコアに近い、67」(田中)という数字が、何よりその証拠だ。

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