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〜全英への道〜 ミズノオープン 2002

< 大会のみどころ >横島由一・JGTO競技運営ディレクター

 「今年は、例年とはまた違った選手たちの戦いぶりを引き出そうと、コース管理の方々のお力もお借りして会場作りに尽力してまいりましたが、天気だけは思うようにならず、ラフの伸びが、想定より50ミリ近く短いなど、不本意な点もあることは否めません。
 ですが、ファンの皆様にはもうすっかりおなじみとなったここ瀬戸内海GCは、依然として荒涼としたリンクスコースの雰囲気を醸し出しています。
 風や天気によって年々、その表情を変え、今までは左足下がりだった起伏が、右足上がりに変化するなど、『何度も経験して知っている』という選手であっても、『昨年までと、風景が違う』と言って、戸惑うホールがいくつかあるかもしれません。
 そして、フェアウェーの周囲には、自然に育成した丈高い草。
 場所によっては、ヒザ上まで埋まってしまうような箇所もあるほどで、言うまでもなく、この草の中に打ちこめば、脱出はそう容易ではありません。
 無理をするとスコアにひびくだけでなく、ひょっとしたら手首や腰を痛めることになるかもしれません。やむなく、フェアウェーに出すだけ、という状況もたくさん出てくるでしょう。

 各ホールには遮るものがほとんどなく、海からの強風の影響を、もろに受けます。
 力で押し切れるようなホールはひとつもなく、一発のミスがボギー、場所によってはダブルボギー以上のペナルティを受けることもあり、選手たちには、ピンポイントの攻めを基本としたコースマネジメントが、常に要求されることでしょう。

 ゲームのキーポイントとなるホールをいくつか挙げるとすれば、アウトの9番、インの14番、そして、ラストの18番。
 9番は、右池がらみのティショットで、左に逃げれば、広々と横たわるバンカー。
 両サイドに、息が抜けないハザードが待ち受けます。
 14番は、232ヤードと長いパー3。
 ここ瀬戸内海GCは、方向の一定しない強風が名物ですから、この14番でアゲンストが吹けば、距離の出ない選手ならドライバーを握ってもグリーンに届かない可能性も。日によっては、良くてパー、ボギーさえも取れない選手も出てくるかもしれません。
 そして、最終18番は、右サイドの池が鬼門。
 刻みたおして逃げるのも手ですが、大ギャラリーが待ち受ける最終日には、プロとしては、逆に刻むのにも勇気が必要となります。
 優勝争いをしている選手にとっては、18番は、まさに最後の関門。
 どんでん返しの可能性も残しているため、2打差くらいでは安心できない、ドラマチックな展開が期待できるホールなのです。

 今大会は、全英オープンの日本予選最終戦。
 ここ瀬戸内海GCから、はるかメジャー舞台への道に、続いています。
 今大会での活躍をきっかけにして世界へと羽ばたく選手たちへ。我々日本ゴルフツアー機構としてもできるだけ後押しできるよう、今週も大会運営に、力を尽くしていきたいと思っています」

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