真っ赤なウェアの2人が、石岡で燃えた。
　この日3日目、最終組でまわった谷口と、細川だ。
　大会連覇を目指す谷口も、1年半ぶりのVを狙う細川も、赤のポロシャツに黒のスラックスと、そっくり同じいでたち。互いに、燃え盛る闘志をこめたが、この日は、細川のほうが1枚うわてだった。
　「ショット、パット。今日はすべてに集中できている。谷口さん？　・・・あの集中力はすごいね。でも、いつ、あのガッツポーズが出るかと思いながら、プレーしてたんだ（笑）」

　2番でボギーが先行し、リズムに乗り切れない谷口を横目に、スコアを積み重ねていく。
　1番で1.5メートルにつけてバーディ発進すると、4番、5番で2連続。
　8番で7メートル、9番で2メートルのパーパットを入れてピンチを切り抜け、折り返した後半。圧巻は、あがりの3連続バーディだ。最後も左奥2メートルにピタリとつけて、谷口を4打引き離すバーディで締めくくった。
　「明日は、1年半ぶりの優勝がかかっているけど、まずは自分のゴルフができればいい。今の自分の立場からいうと、みんなについていく気持ち・・・。みんなと一緒に頑張って、ゴルフ界を盛り上げたいから」
　自宅から車で30分の地元でのVを期して、最終日も、もちろん「赤を着る」つもりだ。

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• 細川 和彦