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ジョージア東海クラシック 2001

「自分が勝つと思って、やるしかないじゃないですか」

苦しいゲーム展開にも、強い信念で勝ち取った伊沢利光の通算10勝目

 今週の、伊沢のショットの出来は「60%」。
 パッティングの調子も「2メートルから3メートルのパーパットが入っているから、それを差っぴいて70%」
 2週前に勝った、三井住友VISA太平洋マスターズのときと同様、すべてに関して本調子とは言えなかった。

 1打差首位からスタートした最終日。
 スコアは伸び悩み、前半で、日体荏原高時代の後輩、川原希に一時、逆転されたり、デビュー2年目の近藤智弘に並ばれたりと、苦しい展開が続いたが、「それでも、自分が勝つんだと思って、やるしかないじゃないですか」
 強い信念で、区切りのツアー10勝目を、引き寄せた。

 一週あけのV争い。実は、体調にも微妙な変化が出ていた。
 「思ったほど、振り切れなくて」クラブコントロールが出来ない。
 そのため、アウトコースの後半からは、若干、力を抜き気味にして「軽めに振っていく」策を取ったほどだった。
 そんな中、冷静にゲーム展開を伺いながら、2位と2打差をつけて迎えた上がり3ホール。

 グリーン左に急なガケが待ち受ける最難関の16番パー3は、「それまで一番、自分が良いゴルフをしてきたから、ここにいる。ここでリスクを犯してまで、ピンを狙う必要はないじゃないですか」と、無理なショットは避け、「最悪、右ラフでいい」と、17番とともに、無難にパーで切り抜けると、最後は、2メートル半の返しのパーパットを決めて、2度、力強く、こぶしを突き上げた伊沢。
 「今週の勝因?・・・そうですねえ・・・。ボギーが、少なかったことかな?」

 ここまで出場11試合で稼いだ賞金は、9833万8883円(海外賞金含まず)で、ダントツの1位。
 また、ここ3週間に限っては、5325万4000円…。
 効率的に稼ぎまくる戦いぶりは、師と仰ぐ“ジャンボ”さながら。「もちろん、そこを目指してますから」と言って、伊沢は不敵な笑みを浮かべてみせた。

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