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全日空オープン 2001

「いちばん、得意なショットで行くのがいい」

輪厚の風にももろともしない林根基のパンチショット

 札幌ゴルフ倶楽部・輪厚コースは、フェアウェー両サイドが木にセパレートされた林間コース。大きく張り出した枝は、随所に空中のハザードを作る。
 さらにその上空を、北海道の風が吹き抜ける。
 林の上を越す高弾道の球で攻めれば、たちまち風の影響を受け、翻弄される羽目になる。  予選2日間、いずれも強風が吹き荒れた時間帯にスタートしながら、林は、常に上位をキープした。
 幼いころから、「ティフトン芝で、地面の固い台湾のコース」でゴルフを覚えた林にとって、北海道の風を切り裂く、弾道の低いパンチショットはお手のものだった。
 腰を痛め、苦しみながらのラウンドだったが、それでも、身についた技は衰えを見せなかった。


 「僕は小さいころ、遊びで覚えたパンチショットが、いちばん得意なんです。ゴルフには2人として同じスィングをする人はいないけど、試合では、自分のいちばん、自信のあるショットで行くのが、いいと思うんです」

 さらに、師匠である陳志忠から吸収したというマイペースの精神。
 中嶋常幸がイーグルを奪い、林に2打差に肉薄したとき聞こえてきた17番ホールの大歓声も、「僕には関係なかった。ただ、自分のゴルフをするだけでした」とキッパリ。
 磨きつづけた得意技と、何事にも動じない精神力が、今季の林をトッププレーヤーにまで押し上げた。

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